こんにちは。
東京コンサルティングファームメキシコの吉田 幸弥です。
前回は“損益計算書(Estado de Resultads)”の利益の読み方について、解説してきました。
まだ、見てない方はリンクを貼り付けておきますので、ぜひ以下のリンクからご確認ください。
そして、今回のテーマは「『損益計算書(Estado de Resultads)』の読み方~指標編~」についてです!
【はじめに】
前回は“損益計算書(Estado de Resultads)”にはいくつかの利益が記載されており、その利益からなにを読み解いていけばいいのか、どのようにその利益を見ていけばいいのか、を解説してきました。
しかし、利益額だけを見ていてもその会社の収益性が高いのかどうなのかはわかりません。そのため、利益額だけでなく、利益率も見ていく必要があります。
例えば、売上高が前期100,000、当期150,000、売上総利益が前期40,000、当期45,000の場合
売上高や売上総利益の金額だけ見てみると、当期は前期より50,000増えており、売上総利益は5,000増えているため、一見前期よりよく見える。
しかし、利益率で考えてみると、前期は40%であるが、当期は30%となっているため、利益率が悪くなっていることがわかる。収益性が低下しているのだ。
こういった原因を探るために、利益“額”だけでなく利益“率”も見ていく必要があります。
今回は、利益率の指標からどうやって、“損益計算書(Estado de Resultads)”を見ていけばいいのかを解説していきます。
【売上高利益率の読み方】
売上高利益率とは、売上高を100とした時、利益がどれぐらいかの比率を計算したもの。
売上高利益率は主に「売上総利益率」「売上高営業利益率」「売上高経常利益率」の3つがあります。これらを計算することによって、会社の収益性を把握することが出来ます。
売上高総利益率
売上総利益率は、会社のすべての活動の財源となる売上総利益をどれほどの売上高で稼げているかがわかる指標。
商売の効率を表し、「粗利率」とも呼ばれています。
売上総利益率(%)= 売上総利益 ÷ 売上高 × 100
売上総利益率は、数値が高いほど「利益の大きい商品・サービス=付加価値の高い商品・サービス」を販売していることになります。
ただし、売上原価の考え方や平均的な売上総利益率は業種によって大きく異なるので、売上総利益率を比較するときは、年次比較または同業他社比較をする必要があります。
売上総利益率を下がっている場合、通常以下のような要因が考えられます。
- 販売数量の低下
- 販売単価の低下
- 商品構成の変化
- 製造原価の上昇
そのため、売上総利益率を上げるためには、これらの要因の中で1番ボトルネックになっている部分から、対策をしていく必要があります。
売上高営業利益率
売上高営業利益率は、本業での利益をどれほどの売上高で稼げているかがわかる指標。
売上高営業利益率(%)= 営業利益 ÷ 売上高 × 100
売上高営業利益率は、数値が高いほど「会社が本業で稼げる力=会社の収益力」が強いということになります。
売上高営業利益率も、売上総利益と同様に業種によって、平均的な割合は異なります売上総利益率と同様に比較するときは、年次比較または同業他社比較をする必要があります。
しかし、売上総利益率ほど、ばらつきは起きにくいです。一般的には、5%を超えるとよいとされています。
売上高営業利益率が下がっている場合には、以下の要因が考えられます。
- 販売費が効率的でない
- 人員数が適正でない
- 会社の維持費の負担が大きすぎる
そのため、売上高営業利益率を上げるためには、これらの販管費のうち、なにが問題なのかを把握した上で、対策をしていく必要があります。
販管費のコントロールについては、以下のリンクをご参照ください。
売上高経常利益率
売上高経常利益率は、通常の事業活動での利益をどれほどの売上高で稼げているかがわかる指標。
売上高経常利益率(%)= 経常利益 ÷ 売上高 × 100
売上高経常利益率は、数値が高いほど「財務活動も含めたトータルの会社の収益力」が強いということになります。
一般的に売上高経常利益率が4%以上なら優良企業、5%以上なら超優良企業と言われております。
売上高経常利益率0%を下回っている場合や下がっている場合は、以下の要因が考えられます。
- 借入金の利息の負担が大きい
- 棚卸資産の品質不良が多い
- 壊れやすい商品が多い
そのため、売上高営業利益率を上げるためには、財務体質や棚卸資産の状況など損益計算書だけでなく、貸借対照表を見て、財務体質の対策をしていく必要があります。
【おわりに】
ここまで利益率に異常がある場合に見ていくポイントを簡単に解説してきました。
おそらく、どの会社でも会社を良くするためのいろんな施策を行なってきたかと思います。
会社をよくするための施策を考えることが経営者や管理者の仕事でもあり、従業員の方がその施策を実行するのが仕事になります。
しかし、その施策は損益計算書(Estado de Resultads)のどこの部分を良くするための施策なのかを説明できる人は少ないのでしょうか。
結局、会社の成長は数字でしか説明出来ません。
会社の数字がよくなるような施策でなければ、その施策は意味ないですし、もしその施策がどこの数字を改善していくものなのか説明できなければ、その施策の効果を確認できません。
なので、数字と結びつけた施策を立て、実行をし、検証をしていく必要があるのです。
私たちは、数字を結びつけたPDCを高速で回していくために月次経営戦略書というものを自分たちで作成し、毎月会社の状態がどうなっているのかを見ています。
さらに、いち早く前月の結果がどうなっていたかを見るために、1営業日で会計を固めています。
月次早期化、月次経営戦略書(下図を参照)によって早くチェックし、分析をし、実行に移していくことが会社を速く成長させていくためには不可欠になりますので、もし、まだ出来ていないようであれば、今月から早めていくようにしましょう!
今回は以上となります。
また、次回もよろしくお願いします!
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株式会社東京コンサルティングファーム メキシコ拠点
黒岩洋一
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