皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループマレーシア拠点の長山毅大です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「マレーシアの解雇制度完全ガイド:知っておくべき法律と手続き」についてお話していこうと思います。
目次
【保存版】マレーシアの解雇制度完全ガイド:知っておくべき法律と手続き
マレーシアで事業を展開する企業や、現地で働く日本人にとって、解雇制度の理解は非常に重要です。本記事では、マレーシアの解雇制度について詳しく解説し、雇用者と労働者の双方が知っておくべき重要なポイントを紹介します。
マレーシアの雇用契約の種類と解雇
マレーシアの雇用契約は、大きく分けて二つのタイプがあります。
- 期間の定めのある雇用契約
- 期間の定めのない雇用契約
期間の定めのある雇用契約
この契約タイプでは、契約期間の終了または特定の業務の完了をもって雇用関係が終了します。つまり、あらかじめ決められた期間や条件が満たされれば、自動的に解雇となります1。
期間の定めのない雇用契約
こちらの契約タイプでは、解雇の手続きがより複雑になります。雇用法に従えば、一定の通知期間(Notice Period)を設けて契約解除の意図を伝えることで解雇が成立します。しかし、実際には産業関連法が適用されることが多く、正当な理由がなければ解雇は認められません1。
解雇通知期間について
雇用法で定められている解雇通知期間は、労働者の勤続年数によって異なります。
- 2年未満の勤続:4週間前までに通知
- 2年以上5年未満の勤続:6週間前までに通知
- 5年以上の勤続:8週間前までに通知
これらの期間は、労働者の身を守る一方で、雇用者側にも一定の制約を課すものです。ただし、雇用契約や就業規則で、これらの期間を超える通知期間を設定することも可能です1。
解雇の種類と手続き
マレーシアでは、解雇を大きく二つのカテゴリーに分類できます。
1. 懲戒解雇
懲戒解雇は、従業員の不適切な行動や業務遂行能力の著しい低下などを理由に行われます。具体的な事由には以下のようなものがあります:
- 2日以上の無断欠勤
- 犯罪行為
- 業務遂行困難
- 反復的な怠慢
重要ポイント: 懲戒解雇を行う際は、以下の点に注意が必要です。
- 警告書の発行や調査などの適切な手続きを踏むこと
- 解雇事由発生から2週間以内に警告を発すること1
2. 整理解雇
整理解雇は、会社の経営状況や組織再編などの理由で行われる人員削減のことを指します。この場合、以下のような条件や手続きが必要となります:
- 人員削減以外の手段(労働時間の削減、新規採用の中止など)を先に検討すること
- 労働者または労働組合との話し合いを行うこと
- 適切な金銭補償を提示し、自主退職の機会を与えること
- 1995年就業規定に基づいた解雇手当を支払うこと
- 他社への就業斡旋を行うこと
- 外国人労働者から優先的に解雇するなど、段階的な整理解雇を実施すること1
MCO(移動制限令)と整理解雇
新型コロナウイルス感染症対策として実施されたMCO(Movement Control Order:移動制限令)を直接の理由とする整理解雇は認められません。ただし、MCOの影響による以下のような理由であれば、整理解雇の根拠となる可能性があります:
- 事業損失
- 事業再編
- 余剰人員の発生1
解雇後の手続き
従業員を解雇した後、雇用者は速やかに以下の機関に通知を行う必要があります:
- 内国歳入庁(Inland Revenue Board: IRB)
- 従業員積立基金(Employees’ Provident Fund: EPF)
- 社会保障機構(Social Security Organisation: SOCSO)1
これらの手続きを怠ると、法的な問題が生じる可能性があるため、注意が必要です。
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