【2026年最新版】インドネシア労務管理の完全ガイド

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループインドネシア拠点の飯島 淳です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「インドネシア労務管理の完全ガイド」についてお話していこうと思います。

インドネシアに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから▼
・インドネシアの基礎知識
インドネシアに関するセミナーに参加したい方は、こちらから▼
・インドネシア関連セミナー


目次

インドネシア労務管理の基礎知識 ── 労働法の全体像

インドネシア労働法の変遷と現在

インドネシアの労働関係法令の基本法は、労働に関するインドネシア共和国法律2003年第13号(新労働法)です。その後、雇用創出に関する一連の法改正(通称「オムニバス法」)により改正され、現在は主として雇用創出に関する法律2023年第6号および関連実施規則(政府規則PP35/2021、PP36/2021など)により、労働法の複数条項が改正・運用されています。この法律はインドネシア人労働者、外国人労働者ともに適用されます。

オムニバス法の核心は、従来の労働者保護重視の姿勢を維持しつつ、投資促進と雇用拡大を図る点にあります。日本の労働基準法と比較すると、インドネシアの労働法は残業・休日出勤・女性労働者保護・宗教配慮など、細部まで詳細に規定されているのが特徴です。

【日本との主な違い】

比較項目 インドネシア
退職金 法定義務(勤続年数に応じた多層計算)
解雇手続 原則合意が必要・通知14営業日前
THR(賞与) 宗教大祭前に1か月分支給が法定義務
社会保険 BPJS(健康・労務)への加入が全企業に義務
残業上限 1日4時間・週18時間(原則)
有給休暇 勤続1年以上で年12日
生理休暇 生理1・2日目に取得可能(有無給は就業規則次第)
宗教配慮 礼拝時間・ラマダン・レバランへの制度的配慮が必要

労務環境の特徴 ── 文化・宗教を踏まえた制度設計

インドネシアでは、宗教・慣習(礼拝時間、断食月(ラマダン)、断食明け大祭(レバラン)等)が就業時間や休暇取得、職場運営に大きな影響を与えます。インドネシア人の約9割がイスラム教徒であるため、1日5回の礼拝時間の確保や、レバラン休暇の適切な付与は、良好な労使関係を維持する上で不可欠です。こうした文化的背景を踏まえた就業規則・雇用契約書の設計が、労働争議予防の第一歩となります。

また、インドネシアの労働力人口はBPS(インドネシア中央統計局)によれば2025年8月時点で約1億5,400万人に達しており、中長期的に増加傾向にあります。豊富な労働力がある一方、スキルミスマッチへの対応が採用・育成面での課題となっています。

インドネシアの解雇規制 ── 日系企業が最も直面するリスク

解雇の基本原則

インドネシアの労働法上、最も重要かつリスクが高い分野が「解雇規制」です。原則として、経営者と労働者との間の合意に基づき解雇が可能とされていますが(オムニバス法第151条)、合意が得られない場合は地方委員会の許可が必要です。大量解雇の場合は中央委員会と行政機関の許可も求められます。

合意によらない解雇の場合、使用者は労働者(または労組)に対し解雇の目的・理由を記載した通知書を交付し、原則として解雇日の14営業日前までに適法に通知しなければなりません。労働者が異議を述べる場合、原則として7営業日以内に拒否の意思表示を行い、紛争となる場合は二者協議(bipartite)を経て、法定の労使紛争解決手続に移行します。

オムニバス法による解雇事由(17項目)

オムニバス法では、以下が主な解雇事由として規定されています。

  •   ① 企業の合併・統合・買収・分割
  •   ② 会社の効率化のため
  •   ③ 会社が2年間継続的な損失による閉鎖
  •   ④ 不可抗力による会社の閉鎖
  •   ⑤ 会社が債務返済義務を延期している状態
  •   ⑥ 商事裁判所の決定に基づく破産
  •   ⑦ 会社のステータス変更
  •   ⑧ 従業員への不利益
  •   ⑨ 長期疾患のため12か月以上復職不能
  •   ⑩ 従業員の辞任 ⑪ 死亡 ⑫ 失踪 ⑬ 退職年齢 ⑯ 雇用契約違反 ⑰ 犯罪行為

 解雇できないケースに注意

以下のような理由では解雇が原則として認められず、この理由を用いて解雇を試みると違法となります。

  •   宗教、信条、民族、政治的傾向を理由とした解雇
  •   労働組合活動への参加を理由とした解雇
  •   障害者であることを理由とした解雇
  •   妊娠・出産・授乳を理由とした解雇
  •   病欠中(診断書提出済み)の解雇

特に「病欠制度の悪用」は日系企業がしばしば直面する問題です。医師の診断書さえあれば最長12か月以上の傷病休暇が認められ、その間は解雇できません。これを防ぐためには、会社側が指定医師を設定し、長期病欠者への対応手順を就業規則に明記しておくことが有効です。

退職金・補償金制度の詳細 ── 計算シミュレーションで理解する

退職金(Pesangon)の構成

インドネシアの退職金(離職補償)は、以下の3つの要素で構成されます。

  •   退職手当(Uang Pesangon):勤続年数に応じた基本の退職金
  •   勤続功労金(Uang Penghargaan Masa Kerja):長期勤続者への功労報酬
  •   権利補償金(Uang Penggantian Hak):未使用有給休暇、医療費、帰郷交通費など

支給倍率は解雇の理由によって異なり、会社都合解雇では退職手当が最大2倍(勤続10年以上で月給の19か月分相当になる場合も)となることがあります。一方、労働者の重大な違反行為による解雇では退職手当は支払われず、権利補償金のみの支給となる場合があります。

退職金計算シミュレーション(会社都合解雇の例)

【シミュレーション条件】勤続5年・月給1,000万ルピア・会社都合解雇(効率化)の場合

計算項目 計算内容・金額(ルピア)
退職手当(Pesangon) 勤続5年 → 6か月分 × 1,000万 = 6,000万Rp *会社都合解雇の場合、法定倍率2倍 → 1億2,000万Rp
勤続功労金(Penghargaan) 勤続5年未満の場合は対象外(3年以上6年未満:2か月分)→ 2,000万Rp
権利補償金(Penggantian Hak) 未使用有給休暇分等 → 例:約500万Rp
合計支給目安 約1億4,500万ルピア(約130万円相当、1Rp≒0.009円換算)

※本シミュレーションは概算です。実際の支給額は就業規則・雇用契約・解雇事由によって異なります。インドネシア語の雇用契約書・就業規則の内容が優先されます。必ず現地の専門家に確認してください。

有期雇用の補償金(オムニバス法の新設規定)

オムニバス法(細則第15条)により、有期雇用(PKWT)の契約終了時にも補償金の支払いが必要となりました。対象は勤続1か月以上の労働者で、契約を延長する場合も延長前の契約終了時に支払いが必要です。外国人労働者には適用されません。補償金額は勤続月数に応じて計算され、通算最長5年(PP35/2021)の契約期間の範囲内で管理することが重要です。

THR(宗教大祭手当)── レバラン前に必ず確認すべき法定義務

 THRとは何か

THR(Tunjangan Hari Raya)は、イスラム暦の断食明け大祭(レバラン)等の宗教大祭に際して、法令により支給が義務付けられている特別手当です。日本のボーナスに相当しますが、法定義務である点が大きく異なります。

THRの支給ルール

支給対象 勤続1か月以上のすべての労働者(有期・無期問わず)
支給金額 勤続1年以上:1か月分の給与 勤続1年未満:1か月分 × 勤続月数 ÷ 12
支給期限 レバランの1週間前までに支給(実務上は2週間前が通例)
注意点 レバランの30日前までに退職した労働者への支給義務なし

2013年にはレバラン手当をめぐりカラワンで大規模なデモが発生した事例があります。THR未払いや支給額の不足は、即座に労働争議・ストライキに発展しやすいため、毎年の支給計画を早期に立案・実行することが重要です。

 BPJS社会保険制度 ── 加入義務と保険料率の完全解説

BPJSの全体像

インドネシアでは、2014年1月より新社会保障制度が開始され、社会保障機関(BPJS:Badan Penyelenggara Jaminan Sosial)が発足しました。BPJSは健康保障(BPJS Kesehatan)と労務保障(BPJS Ketenagakerjaan)の2機関に分かれており、原則としてインドネシアに居住する者(6か月以上滞在の外国人を含む)に加入が義務付けられています。

BPJS Kesehatan(健康保障)

保険料率 給与の5.0%(雇用主負担4.0%・労働者負担1.0%)
上限給与 1か月1,200万ルピアまで
支払期限 毎月10日まで
延滞金 最高3か月の遅延につき月額の2%
3か月超延滞 保障が一時停止

BPJS Ketenagakerjaan(労務保障)の保険料率

保険種別 雇用主負担率
労働者災害補償(JKK) 業種に応じ0.24〜1.74%
死亡保障(JKM) 0.3%(雇用主全額負担)
老齢給付(JHT) 3.7%(労働者負担2.0%)
退職保障(JP) 2.0%(労働者負担1.0%、給与上限あり)
失業保障(JKP) 0.22%(国負担)

BPJS未加入の場合、労働局の立入検査により行政指導・罰金の対象となります。特に日系企業の新規進出時や人員増加時には、速やかな登録手続きが必要です。

日系企業の失敗事例 ── 現場で起きたトラブルから学ぶ

事例①:解雇手続きの不備による大規模労働争議(西ジャワ州・電機関連メーカー)

2020年代初頭、西ジャワ州の工業団地に立地する日系電機関連メーカーの現地法人において、最低賃金改定および雇用条件の見直しをめぐり、労働組合との対立が発生しました。労働組合側は州知事令に基づく最低賃金引上げの全面適用と手当体系の見直しを要求し、工場周辺での抗議活動・デモを実施。一時的に操業に支障が生じました。最終的には会社側が労働組合代表と協議を重ね、賃金改定の適用方法・支給時期について一定の合意に至り、長期的な操業停止は回避されました。

【教訓】最低賃金の改定時期(例年12月発表・翌1月施行)に合わせた早期の社内検討と、労使間の透明なコミュニケーションが紛争防止の鍵です。

事例②:有期雇用の条件変更をめぐる紛争(ジャワ島中部・部品製造業)

2024〜2025年にかけて、ジャワ島中部に進出する日系部品製造企業の現地法人において、有期雇用契約社員の契約更新に際し、業績低迷を理由に一部条件の見直しを試みたところ、労働組合が「実質的な不利益変更」として反発しました。労働組合はストライキの実施を示唆しましたが、労働局を交えた協議を通じて補償金の支給方法と契約終了時の取り扱いを明確化し、全面的なストライキには至りませんでした。

【教訓】オムニバス法施行後も、有期雇用契約の補償金(PKWT補償金)と条件変更の取り扱いには注意が必要です。変更を行う場合は事前に現地弁護士に確認しましょう。

事例③:就業規則の未承認による無効リスク

インドネシアでは、10人以上の労働者を雇用する企業は就業規則を労働局へ提出し承認を得ることが必要です(大臣または指定政府職員の承認後に発効)。この手続きを怠った場合、就業規則自体が法的に無効とみなされ、解雇や懲戒処分の根拠が失われるリスクがあります。日系企業の中には、日本語版のみを作成してインドネシア語版の承認手続きを失念しているケースが見受けられます。

【教訓】就業規則はインドネシア語で作成・提出し、労働局の承認を必ず取得してください。2年ごとの更新手続きも必須です。

事例④:病欠制度の悪用(製造業全般)

インドネシアでは医師の診断書があれば傷病休暇を繰り返し取得することが可能で、4か月休み・1週間働いて再び休む、という形での長期休暇を繰り返す事例が発生します。また病欠中の解雇は原則禁じられているため、会社の人員計画に大きな支障をきたします。

【対策】会社側が指定医師を設定し、傷病休暇の取得手順を就業規則に明記することで悪用リスクを軽減できます。

労働組合・労働争議への対応実務

インドネシアの労働組合制度

インドネシアでは1998年にILO第87号条約(結社の自由及び団結権の保護条約)を批准して以来、労働組合の設立が自由化されました。現在の主要な労働組合連合は以下のとおりです。

  •   KSPSI(全インドネシア労働組合総連合)
  •   KSPI(インドネシア労働組合総連合)
  •   KSBSI(インドネシア福祉労働組合総連合)

企業内に労働組合が設立された場合、雇用者は組合活動を妨害することができません。一方、労働組合の活動が全社員の過半数の支持を得ていない場合、労働協約の締結は認められません。組合員が過半数に満たない状況では、投票によって過半数の支持を確認する手続きが必要です。

労働争議の解決手続き

労働争議が発生した場合、産業関係紛争解決法(法律2004年第2号)に基づいて以下の手順で解決を図ります。

  •   Step 1:二者協議(bipartite)― 労使間で30日程度の協議・交渉
  •   Step 2:合意に至らない場合は地方労働事務所へ申し立て
  •   Step 3:調停・仲裁による解決
  •   Step 4:産業関係裁判所(労働裁判所)への提訴

最長で140日の稼働日+手続き期間が目安です。争議予防のために、日頃から労働組合代表との定期的なコミュニケーションを確保することが最も重要です。

雇用契約・就業規則の実務

 有期雇用(PKWT)と無期雇用(PKWTT)の違い

比較項目 有期(PKWT)/無期(PKWTT)
試用期間 有期:設定不可 / 無期:最長3か月
契約期間 有期:延長・更新を含め通算最長5年 / 無期:期間なし
補償金(契約終了時) 有期:勤続1か月以上に支給 / 無期:解雇時に退職金等を支給
解雇手続き 有期:契約事由に基づく / 無期:書面警告3回を経て解雇可
注意点 有期の補償金は契約更新ごとに支払いが必要

就業規則に必ず記載する事項

  •   企業の権利と義務
  •   労働者の権利と義務
  •   労働条件(賃金・就業時間・休暇等)
  •   企業の規律と行動基準
  •   就業規則の有効期間(最長2年・更新必要)

就業規則はインドネシア語で作成し、労働局への提出・承認が必要です。1人でも労働者を雇用する企業は作成を行う必要があり、10人以上の雇用企業は承認が義務となります。

賃金体系設計の注意点

インドネシアの賃金は、固定給(基本給+固定手当)と変動給(非固定的手当)で構成されます。重要なルールとして、固定給は給与総額の75%以上、変動給は25%以下でなければなりません。また固定給(基本給)が最低賃金を下回ることは禁止されています。残業代・退職金の計算基礎は固定給を基準とするため、賃金設計の時点で将来の退職金コストも試算しておくことが重要です。

 実務チェックリスト ── 着任直後・定期確認に使えるリスト

【就業規則・雇用契約】

    就業規則をインドネシア語で作成し、労働局の承認を取得済みか

    就業規則の有効期間(2年)を管理し、更新手続きを実施しているか

    雇用契約書はインドネシア語で作成し、両者署名済みか

    有期雇用の場合、契約期間・更新回数・補償金支払いを管理しているか

【BPJS登録・納付】

    全従業員のBPJS Kesehatan(健康保障)登録が完了しているか

    全従業員のBPJS Ketenagakerjaan(労務保障)登録が完了しているか

    保険料を毎月10日までに正確に納付しているか

    6か月以上在留の外国人駐在員のBPJS登録を行っているか

【THR管理】

    対象者リスト(勤続1か月以上の全従業員)を毎年確認しているか

    レバランの1週間前(実務上2週間前)までに支給できるよう予算を確保しているか

    勤続1年未満の従業員への按分計算を正確に行っているか

【労働組合対応】

    社内に労働組合が設立されている場合、定期的に代表者との協議機会を設けているか

    労働協約がある場合、有効期間(2年・延長1年まで)を管理しているか

    最低賃金改定(例年12月発表)に合わせて賃金改定の検討を行っているか

よくある質問(FAQ)── 実務担当者の疑問を一問一答で解説

Q1. 整理解雇(リストラ)は可能ですか?

可能です。ただし、会社の効率化・継続的な損失・破産等を理由とした解雇事由(オムニバス法規定)に該当することが条件です。手続きとして、労働者または労働組合との合意が原則必要であり、合意できない場合は労使紛争解決手続きを経る必要があります。また退職金(Pesangon)の支払いが法定義務です。

Q2. 最低賃金違反の罰則はどうなりますか?

最低賃金を下回る賃金を支給することは禁止されており、違反した場合は最大1,000万ルピアの罰金または1年以下の禁固刑が科せられる可能性があります(労働法第185条)。また労働局の監査対象となり、未払い分の遡及支払いを命じられることがあります。

Q3. 有期雇用は何年まで可能ですか?

政府規則PP35/2021により、有期雇用契約(PKWT)の期間は延長・更新を含め通算で最長5年とされています。5年を超えると無期雇用(PKWTT)へ転換したとみなされる可能性があります。

Q4. BPJS未加入の場合の罰則は?

BPJS未加入企業には、行政指導・業務停止命令・公共サービスの停止(許認可更新の拒否等)といった罰則が課される可能性があります。また、労働者からの訴えにより損害賠償を請求されるリスクもあります。

Q5. 外国人駐在員へのBPJS適用はどうなりますか?

インドネシアでの就業期間が6か月以上の外国人はBPJSへの加入義務があります。就労ビザ更新時にBPJS登録証明が求められます。ただし退職保障(JP)については現状免除されています。駐在員が帰任した場合、老齢給付(JHT)の積立金を還付申請できます。

Q6. 試用期間中の解雇は可能ですか?

無期雇用契約では最長3か月の試用期間を設定でき、試用期間中は退職金の支払いなしに解雇が可能です。ただし有期雇用契約では試用期間を設定することはできません。

Q7. 外国人が人事書類に署名することはできますか?

インドネシアでは、採用・解雇・昇格などの人事関連書類への外国人によるサインは原則禁止です(大統領令等による規制)。実務上はHRマネージャー等のインドネシア人担当者がサインを行う必要があります。

Q8. 外国人1人に対して何人のインドネシア人を雇用する義務がありますか?

就労ビザを取得する外国人1人につき、インドネシア人10人を雇用する義務があります。また外国人労働者は、担当する職位に応じてインドネシア人への技術移転プログラムを実施する義務があり、これを怠ると罰則の対象となります。

Q9. ストライキが発生した場合、賃金を支払う必要がありますか?

ストライキ期間中の賃金の取り扱いは、当該ストライキの適法性・労使間の合意内容・就業規則または労働協約の定め等によって異なります。違法ストライキに参加した労働者は無断欠勤として扱い、14日以内に書面で2回まで業務復帰の交渉を行えます。これに応じない場合は自己都合退職とみなすことができます。

Q10. 就業規則がなくても解雇はできますか?

就業規則がなければ懲戒解雇の根拠が曖昧となり、解雇が無効とみなされるリスクが高まります。10人以上を雇用する企業には就業規則の労働局承認が義務付けられており、承認なしの就業規則は法的効力を持ちません。早急に整備することを強くお勧めします。

Q11. 外国人駐在員の労務管理上の注意点

外国人(日本人含む)がインドネシアで就労する場合、ITAS(在留許可書)を取得後、IMTA(就労許可証)を取得する必要があります。就労ビザ・KITAS・IMTAに表記された役職名と、実際に担当している業務・役職との整合性が求められ、複数の役職を兼任しているとみなされた場合、1年以上4年以下の禁固刑および1〜4億ルピアの罰金が科される可能性があります(労働法第185条・第42条)。

また、外国人は指定された役職・一定期間の雇用形態での就労に限定されており、役職の兼任は認められません。着任時・役職変更時には必ず現地の専門家に確認することが重要です。

 

インドネシア労務管理でお困りの企業様へ

インドネシアの労務管理は、制度の複雑さと文化的背景への深い理解が求められます。就業規則の承認手続きから解雇対応、BPJS登録・労働組合との交渉まで、実務上の課題は多岐にわたります。

以下のようなお悩みをお持ちの場合は、現地の専門家への相談をご検討ください。

  •   就業規則のインドネシア語作成・労働局承認サポート
  •   解雇トラブル・退職金計算の相談・対応支援
  •   BPJS登録代行・保険料計算の確認
  •   労働組合対応・労働争議予防のアドバイス
  •   有期雇用管理・補償金計算の確認

インドネシアでの安定した事業運営のためには、専門知識を持つパートナーとの連携が不可欠です。まずはお気軽にご相談ください。

参考法令・情報源

  •   インドネシア共和国 労働法(Law No.13 of 2003 concerning Manpower)
  •   インドネシア共和国 雇用創出法(Law No.11 of 2020 / 改正:Law No.6 of 2023)
  •   政府規則 PP35/2021(有期雇用・解雇・労働時間)、PP36/2021(賃金制度)
  •   BPJS Kesehatan・BPJS Ketenagakerjaan 公式資料
  •   Statistics Indonesia(BPS):労働力調査(Sakernas)2025年8月版
  •   産業関係紛争解決法(Law No.2 of 2004)
  •   ジェトロ(日本貿易振興機構)インドネシア労務・投資環境関連レポート

※本記事の情報は2026年2月時点のものです。法令改正等により内容が変更される場合があります。実際の労務対応については、必ず現地の専門家・弁護士にご確認ください。

 

無料会員登録をされてない方は、以下のボタンから必須項目を入力後、
メールに届くパスワードを入力するとブログを閲覧できます。

この記事に対するご質問・その他インドネシアに関する情報へのご質問等がございましたら

お気軽にお問い合わせください。

※画像クリックでお問い合わせページへ移動します

【PR】海外最新ビジネス情報サイト「Wiki Investment」


※画像クリックでWiki Investmentページへ移動します

進出予定の国、進出している国の情報収集に時間かかりませんか?

進出してビジネスを成功させるためには、

その国の知識や実情を理解しておくことが必須となってきます。

しかし、情報が溢れかえっている社会ではどれが本当に信頼できる情報なのか?が重要になります。

そんな「信頼できる情報」をまとめたサイトがあれば、どれだけ楽に情報収集ができるだろう…

その思いから作成したサイトがWiki Investmentです!!

弊社東京コンサルティンググループは海外20カ国超に拠点を有しており、

その現地駐在員が最新情報を「Wiki Investment」にまとめています。

【Wiki Investmentで何ができる?

・現地駐在員が毎週ホットな情報を更新するNews update

・現地に滞在する方からご質問頂く、
 より実務に沿った内容が記載されているQ&A集

・当社が出版している海外実務本をデータベース化したTCG書籍

などの新機能も追加しました!

 

経営者・幹部層の方におススメしたい【全ての経営者へ贈るTCGブログ】

※画像クリックで「TCGブログ」ページへ移動します

会社経営や部下のマネジメントをしていると、様々なお悩みって出てきませんか?

どうしたら、会社は良くなっていくんだろう・・・
・部下が育ってくれるにはどうしたらいいんだろう・・・

そういったお悩みをもつ経営層の皆様におススメしているブログがございます。
コンサルティングファームとして、これまで多くの企業様と関わり、
課題を解決してきたコンサルタント達による

経営課題や悩みについて解説したブログを無料公開しております。

もっと会社を良くしたい!、マネジメントについて学びたい!

そうお考えの皆様におススメのコンテンツとなりますので、ぜひご覧ください!

・「全ての経営者へ贈るTCGブログ」はこちらから

 


株式会社東京コンサルティングファーム インドネシア拠点
飯島 淳


※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。
該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

ページ上部へ戻る