IMS強化とGSTR-9表6A1の導入で変わるITC運用


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さて、今回は「IMS強化とGSTR-9表6A1の導入で変わるITC運用」についてお話していこうと思います。

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IMS強化とGSTR-9表6A1の導入で変わるITC運用

 

概要

 GSTNは2025年10月17日のアドバイザリーで、Invoice Management System(IMS)を拡充し、受領者がクレジットノート受入時にITC(仕入税額控除)の減額額を自ら指定できる柔軟性を導入しました。これにより、部分返還を伴う取引でも現実に即した逆算が可能となり、取引先間の紛争解決や照合作業が円滑になります。またGSTR-9に新設された「表6A1」により、前年度分のITCを当年度で計上したものを明確に切り出して報告でき、机上審査の整合性が高まります。これらは2025年10月課税期間以降の記録に適用される前向き(遡及なし)運用です。

ポイント

  • Pending(保留)機能の拡張:従来不可だったクレジットノートやその上方修正等にも保留が可能に。保留は月次納税者で1課税期間、四半期納税者で1四半期まで。期限到来後は保留が無効化され、未操作の記録はみなし受入となります。
  • ITC減額額の自己申告:受入時に「減額要否(Yes/No)」と減額額(部分返還)を入力でき、実際に享受したITCに合わせた正確なリバーサルが可能になります。
  • 適用時期の具体例2025年10月分のGSTR-2Bに属する記録から新機能が有効。9月起票でも10月の2Bに載るものは新扱いとなります。
  • 年次申告の明確化(表6A1)前年度(例:FY2023-24)分のITCを当年度(FY2024-25)で申告した額を表6A1で開示。部門は前年の表12(ITC取下げ)・表13(ITC計上)との整合を確認する想定で、再取得ITCは含めない運用が明示されています。
  • 実務留意:帳簿・作業紙の維持管理を徹底し、IMSのAccept/Reject/Pendingの期日管理と、表6A1の整合チェックを月次SOPに落とし込むことが重要です。

まとめ

 IMSの強化は、「正確なITC」と「紛争予防」を両立させる設計です。保留対象の拡大と自己申告型のITC減額により、部分返還・後日修正といった現場の論点を制度側で吸収できます。年次では表6A1が前年度分ITCの見える化を担い、当局の机上審査と納税者の説明可能性を同時に高めます。結果として、照合負荷の低減、通知・紛争の抑制、コンプライアンスコストの縮減が期待できます。

 本日は以上になります。

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