就労ビザの年齢制限について

 こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日は、就労ビザの年齢制限についてお話します。
 
 外国人が中国で就労する場合の年齢制限は、下限だけが全国統一で「満18歳」と定められており、上限については各地域によって異なります。(「外国人の中国での就労に関する管理規定」第7条)例えば、上海であれば、60歳(男性)55歳(女性)と実務上決まっています。法律的な根拠としては、「『外国人の中国における就業管理規定』の貫徹についての若干意見」(滬労外発[1998]25号)第6条」が挙げられます。さらに、広州については、男女共に60歳。北京については、中国企業であれば男女共に60歳、外資企業であれば制限がないと定められています。

 上記の年齢を超えた場合で、引き続き中国で働く方法としては、以下の3つがあります。

①各地の労働部門から特別許可を得る
②外国専門家来中就業許可の取得
③Fビザ(訪問ビザ)

①については、各地域の労働局の審査を通過し、許可が下りれば、就業許可を取得することが可能です。事例としては、企業の法定代表者・直接投資者である場合、駐在員事務所の首席代表である場合等が認められています。ただし、すべて個別案件(相談ベース)で処理されるため、最終的には各地域の担当者の判断によって、取得できるか否かが決まります。

②については、外国専門家来中就業許可を取得した外国人については、上記の年齢制限の枠を超えて働くことが可能です。ただし、実務的には65~70歳になると取得が困難になります。申請条件としては、下記のいずれかを満たす専門家と定められています。

  1. 政府間や国際組織間の貿易執行を行うのに必要な専門技術者・管理者、
  2. 教育・科学研究・新聞・出版・文化芸術・体育等の仕事に関する外国籍の専門家、
  3. 中国国内企業の副総経理以上の職務を担当する或いは同等の待遇を享受する外国籍の高級専門技術員・管理者
  4. 中国国家外国管理局に承認された海外専門家組織または人材仲介機構の中国に常駐する代表機構の外国籍の代表者
  5. 中国で経済、技術、貿易、金融、財務・会計、税務、旅行等に関する仕事に従事し、特殊な技能を持ち、中国で欠けている外国籍の専門技術者・管理者

なお、2と3については、大学修士以上の学歴と5年以上の関連する業務経験を持つことが必要であると定められています。また地域によっては、適用事例が少ない地域も出てきていますので注意が必要です。

③については、最後の手段ですが、どうしても中国に来て業務を行う必要がある場合、日本においてFビザを申請取得し、中国で出張業務として業務を行う方法があります。実務的に上海では、90日続けて上海にいることが可能です。上海では、通常30日シングル(入国可能回数1回)を2回取得更新可能だからです。滞在90日を越すと、一度出国することを求められる傾向があります。ただし、Fビザで中国での就労は禁じられています。したがって、現地で所得を得るということはできず、長期出張という形で中国に訪問することになります。

以上

【参考URL】
 http://www.shluyaolaw.com/ldfl_7.html
 http://www.gz.gov.cn/publicfiles//business/htmlfiles/cngzrw/s3655/201006/522500.html
 http://chasechina.jp/cc/article.php?article=6656
 http://www.glink21.com/visa2.htm
 http://www.jetro.go.jp/world/asia/cn/qa/03/04C-130305
 http://www.jetro.go.jp/biznews/522d837c45d30

少しでも気になる点や疑問などありましたらご気軽にご相談くださいませ。

 

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