こんにちは、中国・上海の三輪常敬です。
Q,
最近知り合いの会社が税務調査を受けたという話を聞きました。どういったタイミングで税務調査が実施されるのでしょうか。
A,
税務調査が入るのは主に下記の状況になります。
▸ 会社を閉鎖するとき
外資系企業は、閉鎖手続きの初期の段階で、税務監査を受ける必要があります。
その監査レポートにて、異常と判断された場合には、税務調査を受けることになります。
日系企業で、中国から撤退できないという問題がよく指摘されておりますが、これがその原因のうちの一つです。状況次第では、半年以上も税務局とのやり取りが続く場合もあります。
▸ 税務局の調査対象となったとき
税務局は調査指標と統計学的分析に基づいて定期的に財務分析を行っており、異常値を発見した場合には、実地調査として税務調査が実施されることがあります。
税務調査対象企業の傾向や調査方針は、下記にて定められております。
国税发[2005]43号
http://www.chinatax.gov.cn/2013/n1586/n1593/n1633/n1643/c269337/content.html
▸ 第三者からの通報があったとき
中国では、この第三者からの通報による税務調査が最も多いケースとなります。特に、関係者からの内部告発が多くなっております。この理由として、中国では通報者に対し、一定の報酬を与える制度があることがあげられます。
国家税务总局中华人民共和国财政部令第18号、第六条
http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810765/n812176/n812803/c1195184/content.html
税務調査の通知を受け取った段階で、税務調査に対して協力の姿勢を見せ、遅延なく関係資料を提出し、真実の報告を行う必要があります。そのためには、税務に関する管理体制を構築し、契約書や請求書、発票等の資料の保管、適切な承認ルールの整備と運用を日常的に心がけておく必要があります。