給与計算時の基数について Q&A

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日も中国Q&Aについてお話します。

 

Q, 時間外割り増し手当、病気休暇の基準日給、欠勤時の控除の基数はどのように計算すればよいですか。教えてください。

A,

それぞれ、項目によって基数の計算が異なります。

まず、時間外割り増し手当の基数については、古い法律を参照すると(労働法意見309号の第53条)、ボーナスや各種手当すべてを基数に入れると定められております。一方、上海での判例を参照すると(上海高级人民法院民一庭调研指导【2010】34号)、「変動制賞与、福利厚生、リスクに関する賃金項目を除いた金額」と定めています。つまり、上記判例で判断すると、上海においては、基本的には、基本給与と役職給を基数にいれればよいと考えられます。実務的には、会社独自で定められており、各種手当も含めて全額を基数に入れている場合や、基本給与と役職給を基礎として基数計算している会社があります。

 

次に、病気休暇の基準日給については、明確に手当てを含めるべきなどは規定されておらず、実務上会社ごとで基数が計算されております。ただし、雇用者と労働者に一切の取り決めがない場合、基数は正常出勤時の給与の70%を下回ってはいけないと定められております。さらに、上海市では、最低給与基準を下回ってはいけないと定められております(上海市劳动保障局关于病假工资计算的公告)。

 

最後に、欠勤時の控除についても、明確に手当てを含めるべきなどは規定されておりません。実務上会社ごとで基数が計算されており、手当てを含めて計算しているケースや含めずに計算しているケースの両方があります。「控除基数」が「割り増し基数」よりも小さい等、従業員に不利益にならない基数計算であれば、 特に問題にならないと考えられます。

 

 

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