親会社との連結会計について Q&A

こんにちは、中国・上海の田中勇です。本日も中国Q&Aについてお話します。

 

Q. 中国の財務諸表を日本本社の連結したいと思っています。連結する際、よく起こる問題について、教えて下さい。

 

A.よく起こる問題は、下記の通り、大きく4つあります。

 

①発生主義で作成されていない中国会計データ

②日本と中国の勘定科目の相違

③日本と中国の財務諸表の構成の違い

④会計締日の問題

 

まず、①発生主義で作成されていない中国会計データ について、取引が発生した際、適時に売上や費用を認識するのが原則です(発生主義)。ところが、中国の場合、取引発生時ではなく、発票(領収書)の発行及び受領に基づき、会計処理しているケースが多くあります。その結果、モノ自身は出荷済みであっても、発票を発行していない場合は、当月に売上計上せず、発票を発行した月に売上計上しているという処理が見受けられます。その際、日本親会社と中国子会社間取引で合った場合は、債権債務は合わなくなります。

 

次に、②日本と中国の勘定科目の相違について、日本と中国では、会計や税法が異なるため、同じ取引であっても、使用する勘定が異なります。例えば、日本では、従業員に対して一律に食事などを提供した場合、その費用は福利厚生費の勘定を使用することが可能です。一方、中国の場合は、接待交際費の勘定を使わなければなりません。ところが、使用目的から考えると、従業員の福利厚生の為に使用されたのであれば、福利厚生費の勘定を使うべきです。その他、中国では利息収益が財務費用のマイナス計上されていること等が相違点として挙げられます。

 

 ③日本と中国の財務諸表の構成の違い について、日本と中国では、財務諸表の構成が異なるため、中国の貸借対照表や損益計算書から直接組み換えすることはできません。例えば、中国の損益計算書には特別損益に該当する項目はありません。したがって、基本的には勘定ごとに組み換えする必要があります。

 

④会計締日の問題 については、中国の月次会計の締日が遅い場合は、会計業務の見直しを行い、早期決算を実施する必要があります。日本の会計締日が遅い場合は、日本側で調整する必要があります。中規模の会社であれば、月初5日までに会計締めを行うのが理想的です。

 

 

以上です。

 

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