
皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ中国拠点の小林 祐介です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
さて、今回は「【中国ビジネス】2026年版「贈収賄に関する刑事司法解釈(二)」の適用開始と、日系企業が見直すべき社内規定」についてお話していこうと思います。
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【中国ビジネス】2026年版「贈収賄に関する刑事司法解釈(二)」の適用開始と、日系企業が見直すべき社内規定
1. 中国の「贈収賄に関する刑事司法解釈(二)」制度概要と最新公告の解説
「解釈二」とは、最高人民法院と最高人民検察院が2026年4月に発表し、5月1日より施行された『汚職・収賄刑事事件の処理における法律適用の若干の問題に関する解釈(二)』のことである。
この新解釈は、これまで長年中国の法執行において存在した「国有企業」と「民間・外資系企業」との間の処罰格差を撤廃する極めて重要な法的転換である。従来、2016年の司法解釈では非国家職員の収賄に対する基準が国家職員の2倍に設定されていた(※立件・訴追基準については2022年に先行して3万元に引き下げ済み)。今回の新解釈では、この「2倍・5倍」といった量刑基準の差異が正式に完全撤廃され、公私を問わず統一的な量刑基準が適用されるようになった。 つまり、外資系企業であっても、一般従業員による小額のキックバックやリベートであっても、国家公務員と同様の厳しい刑事訴追の対象となる時代に突入したことを意味する。
2. ビジネスへの影響と注目すべき動向
この規制強化がビジネスへ与える影響は、日系企業の日常的な営業活動における「商慣習」の根底からの再定義を余儀なくされる点にある。
これまで中国市場において、値引き交渉の代替手段として日常的に行われてきたリベートや、サプライヤーとの間で行われるリベートの授受、あるいは「過剰な接待」は、もはや「商慣習」や「内部規律違反」として処理できる問題ではなく、深刻な刑事犯罪リスクとなった。特に、これまで中国国内でコンプライアンスが比較的緩やかであると認識されていた民間・外資系企業の従業員に対して、検察当局が直接的な摘発を強化する可能性が極めて高い。資金効率の面でも、贈収賄に関与したと認定された場合、違法所得の没収に加え、高額な罰金が科され、企業のキャッシュフローを直接的に毀損するだけでなく、当該プロジェクトの取引停止や許認可の取り消しにまで発展するリスクを内包している。
3. 企業が取るべき具体的対応
企業が取るべき具体的対策は、従来型の「緩やかな内部規定」を即座に破棄し、現地の実情に即した極めて厳格なコンプライアンス体制を構築し直すことである。
まず、全駐在員および現地スタッフに対して、2026年5月施行の『解釈二』の内容を周知徹底し、何が「犯罪」に該当するのかを明確な基準(金額や対象行為)で教育する必要がある。次に、社内の贈答・接待規定および代理店・サプライヤーとの契約内容を全面的に刷新し、リベートや過剰な便宜供与を禁じる条項を明記するだけでなく、その監査プロセスの記録を義務付けるべきである。特に、日本の本社が把握していない「現地法人独自の商慣習」の洗い出しは急務である。また、万が一の不正発覚時に備え、内部通報制度の適正な運用と、専門家を交えた有事対応マニュアルの整備が不可欠となる。これらの対策を怠ることは、経営層が法的責任を負う事態を招く可能性すらあるため、経営判断として最優先で着手すべきである。
まとめ・CTA
2026年5月より、中国の贈収賄規制は国有企業と民間企業を区別しない、極めて厳格かつ公正な執行ステージに入った。これまで「中国では当たり前」と見過ごされていた行為が、今日からは刑事罰の対象となる。自社の現状が新基準に適合しているか、リスクアセスメントの実施が求められている。
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