皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週もカンボジアの会社法について、皆様にわかりやすくご説明させていただきたいと思います。
パートナーシップ形態に関しては、実務上あまり適用されるケースも少ないことから、それに関する条文は省略しまして、会社法の第三章 私的公開有限責任会社、公開有限責任会社へのほうへと進ませていただきます。
第85条(適用範囲) 本法律は、カンボジア王国における企業活動のために、私的有限責任会社と公開有限責任会社の設立を認める。銀行、保険会社及び信販会社を業務の目的とする会社は、本法律によっては設立することができない。
まず、最初にこのように適用範囲が定められています。銀行、保険会社または信販会社に関しては、会社法は適用範囲外となります。
第86条(私的有限責任会社の性質) 私的有限責任会社とは、次に掲げる各条件を満たす有限責任会社をいう。 (a) 私的有限責任会社の株主数は2人から30人とする。ただし、1人の株主によっても私的有限責任会社を設立することができ、当該会社は単独株主有限会社と 称する。単独株主有限会社は、株主間の関係に関するものを除き、私的有限責任会社と同様に取り扱われるものとする。 (b) 私的有限責任会社は、株式及びその他の証券を公募することはできず、株主、 家族及び執行役員に対してのみこれを割り当てることができる。 (c) 会社は、各種類株式つき、1つ又は複数の譲渡制限に関する条件を付すること ができる。 (d) 私的有限責任会社は、商業省令が定める方式に従って登記された日に設立したものとする。
第86条では、私的有限責任会社の性質について定められています。私的有限責任株式会社の株主数に関しては2人から30人というように定められていますが、1人株主でも、単独株主有限会社として存続可能であることから、1人から30人と解釈することが可能です。私的有限責任会社は株式を公募するとはできず、上場することはできません。したがって、条文にあるように譲渡制限を付することが一般的です。
カンボジアでは上場している会社は4社程度しか現在のところはないため、それ以外の現地法人に関しては私的有限責任会社に該当すると考えられます。
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