皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「シハヌークビル港新ターミナル開港」についてお話しします。
シハヌークビル港湾庁(PAS)は、6月25日に、輸出の高速化・効率化を目的とした多目的ターミナルを開港しました。日本の後援による、74百万ドルを費やしたターミナルは、330メートルのドック、13.5メートル深の大型船の停泊所を有しています。
開港式は、フン・セン首相、公共事業運輸省スン・チャントール大臣が出席し、国際市場へのカンボジア農産物輸出の重要な水上玄関口となると発言しています。このターミナルが収容能力を向上し、主要陸路と接続することにより、シハヌークビル港は物流の高速化や近隣諸国に対する競争力の向上などの重要な役割を果たすとしています。
また、このターミナルは70%の輸出入の促進、4万トンから5万トンの船舶の収容を可能とし、従来のターミナルの2倍以上となっています。また、過去5年間にわたりコンテナ輸送量は12.65%上昇しており、2018年の5か月間で、昨年の同期間と比較し20%、207千TEUまで上昇しています。
さらに、カンボジア政府は、JICAの支援を得て、203百万ドルのコンテナターミナルの建設を計画しています。
一方、課題になっているのが、シハヌークビル港へのアクセスです。プノンペンからシハヌークビル港までは対面1車線の道路でのアクセスがほとんどで、約6時間かけてトラックで輸送しています。しかし輸出入量が増えるにつれ、渋滞が激しくなり、過積載も目立ちます。
渋滞とは無縁の鉄道の利用も注目されていますが、現状の鉄道輸送には、プノンペン周辺で貨車へ荷物を積み込む拠点や、線路や鉄橋の整備状況が不十分なことなどの課題があります。港へのアクセスがより効率的となるよう、道路、鉄道網の整備が急務となるでしょう。
今週は以上になります。
西山 翔太郎