カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。

さて、今回は「商品群に関する問い」についてお話しします。

「我々の事業は何か」という問いは、普段からなかなか問うべき機会がない問いです。意識して問わなければ、問うことのない問いであります。しか し、それらの問いこそ、われわれに予期せぬものを教えてくれるものなのです。

ドラッカーは、予期せぬものを知るたに、「商品群に関する問い」を考えなければならないとし、この問いを以下のように述べています。

『 顧客の考え方や経済的な事情からして意味ある商品群は何か、何が商品群をつくるか。買うか買わないか、いかなるときに何を買うかを決めるのは消費者の知覚 である』

メーカーは、製品の競争力が製品の価値であり、顧客の欲するものと考えます。顧客は常に、メーカーの製品を横並びで比べ、機能で製品を選択し、価 格で購入を決定すると考えます。この結果、高機能製品を開発することになるでしょう。
次に、これらから順次機能を削除し、低価格版を製品化していきます。競合が追い付いてくると、価格は据え置いたまま、機能を追加して機能競争を繰 り広げていくのです。
こうして、だれも使わない、だれも使ったこともない機能が盛りたくさんの商品群ができあがっていきます。

メーカーは自らの理論により、これだけの機能がついているから、この製品は、価格相当である、この機能がついて、この価格なのだから売れるはず だ、となるのです。

一方、消費者は、この機能がついていれば十分とばかりに基本機能だけのシンプルな機能品を買っていきます。これを、メーカーは、この機能が付いて いるから、あの商品が売れたとばかり納得しています。こうしているうちに、後進国の開発した単機能製品が市場を席巻していきますが、それでもわが 社の商品は市場から支持されていると思い込んでいるのです。

こうして、メーカーの見ている売れる商品のイメージと消費者のイメージしている買いたい商品の落差は益々大きくなっています。そもそも両社の見て いる絵が違います。メーカーは、理性で製品の開発を行い、消費者は、感性で商品を買うのです。

澤柳 匠

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