カンボジア企業経営への心得

経営

皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。             

さて、今回のテーマは「組織を腐敗させる者」です。

 

ドラッカーは、「真摯さは、社会へ出るときに、既に身に着けておかなくてはならない資質である」と述べています。

組織に入り、経営に関する知識や、業務に関するスキルは、学ぶことができます。それらのスキルは努力によって身に着けることができます。

しかし、真摯さだけは、社会へ出るまでに既に身につけておかなくてはらない資質であるとドラッカーは述べています。真摯さとは、その人の本質を形成している資質であると言うのです。後から習得するとことはできない資質なのです。

昔は、頑固おやじといわれる人が一人や二人くらいどこの職場にもいました。私たち働く人たちの気が付かない視点から、物事を見ていました。そして、誰彼かまわず、怒鳴り散らしていました。ある意味正論を吐いていました。その結果、嫌がられようが、嫌われようが言うべき事は言っていました。相手が誰であろうと、自らの立場より、何が正しいかを大切にしている人たちだったのです。

このような人たちは、最近は、めっきり目にしなくなったように思います。多くの人たちは、自らの想いを述べるよりも、人付き合いの良さを優先するような気風になってきたのです。自らの信条より、周りの人たちとの調和を優先するようになったのかもしれません。

ドラッカーはその著書で以下のように述べています。
「誰が正しいかではなく、何が正しいかを考える。頭のよさではなく真摯さを大切にする。つまるところ、この資質に欠ける者は、いかに人好きで人助けがうまく、有能で頭がよくとも、組織にとっては危険な存在であり、上司および紳士として不適格である。」

頭が良くても、人付き合いが良くても、自らの真摯さの基準を持っていない者をマネジメントにしてはいけません。頭の良さや、仕事のできることと、真摯さとは別のことなのです。

働く者の価値観は、マネジメントの価値観に同化されていきます。真摯さが欠けるものをマネジメントとする組織は、働く者の価値観も真摯さが欠けていくこととなります。

特に知識に関して劣等感を持っていたり、現場でのたたき上げで育ってきた人にとっては、知識や技術というのは非常に重要なものに感じます。それこそが自分の足りないものだと考えています。

しかし、本当に上に立とうと思う人間であれば、ドラッカーの言うように真摯さが自分に足りているか、自問してみなければなりません。

真摯さに欠ける者は、いかに知識があり、才気があり、仕事ができようとも、組織を腐敗させる

 

 

澤柳 匠

 

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