皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回のテーマは「二者択一」です。
城野宏氏はその論文の中で、「企業の戦略」について以下のように言っています。
「会社をどういうことでどこまでもっていくか、社員がなるほどこれならやり甲斐があると、ふるいたつような内容をもち、誰でもすぐわかって行動にかかれるようなものが会社の戦略でなければならぬ。基本的には発展か衰退か、現状打破か現状維持かの二者択一である。」
一見極論のように思えますが、非常に的確に真理を捉えています。また、物事には二面性があるので、「やる」と決めたということは、他に「やらない」と決めたという見方もできます。
実は、戦略目標達成のためには、「やらない」と決めることが重要であることが大半です。先週も少し触れましたが、何をやらないか選択することが戦略の本質でもあります。
中小企業などの「弱者」はいつか必ず大企業の「強者」と戦うことになります。
ランチェスターが明らかにした法則として、弱者が強者と戦って勝つには、ベトナム戦争において米国にベトナムが勝利したように、正面衝突を避け、個別の一騎打ちに持って行く必要があると説いています。
一騎打ちに持って行くためには、何らかの形で「絞り込み」を行い、強者がやらないことをやることで、部分的に競争相手を凌駕すればよいのです。
この「絞り込み」こそが「やらないことを決める」戦略と言え、ポーターやドラッカーも同じようにその著書で説明しています。
どの著書でも、できるかどうかでは問われていません。
どうしたらできるか、ではなく、戦略に基づく行動をやっているかいないかだけが問われるのであり、できないという事象は通常起きることはないのです。
それであれば、どうしたらできるか、を問うよりも、戦略に基づく戦術行動を成功するまで積み上げさせる、そしてその成功事例と失敗事例の積み重ねこそが、「やる」ということなのです。
澤柳 匠