■カンボジア企業経営への心得
皆様こんにちは、カンボジア駐在員の澤柳です。
さて、今回は「正しさから始める」についてお話しします。
人はある程度経験を積んでいくと、行動をする前にじっくり考え込んでしまい、その結果行動に移らない、行動に移るまでに長い時間がかってしまうということがよくあります。
特に入社して半年ほどたったスタッフは、確かに仕事は多少覚えてきているのですが時間が予定よりもかかってしまい、会社の思い描いている成長スピードに追いつきません。その理由を、忙しいから、人手・時間が足りないから、と片付けてしまいがちです。
その結果、そのスタッフは会社の求めているものとのギャップを感じてしまい、会社との距離ができてしまいます。
一方で、優れた経営者の多くは行動をしながら考える習慣があります。経営者が感じている危機感はスタッフのそれに比べて圧倒的に大きく、時間が制約条件であることを肌で理解しているからです。
経営者の危機感をスタッフに押し付けるようなことはしませんが、しかし会社を中心とする個であるとの認識をスタッフに持ってもらえるよう、会社の個であることを誇りに持ってもらえるよう、スタッフの幸せを願いながら、厳しく優しく最高の組織を私は作りたいと常々思っています。
そのために最近は、そのようなスタッフに「正しさから始める」ことを個人面談で勧めています。ドラッカーも「Start with what is right rather than what is acceptable」という言葉を残しています。
自分で考えるという行為は、実は守破離の守にすらなっていません。まず会社のスピードに合わせるには徹底的な行動力が必要です。そして、その行動力の源は人間としての正しさ、つまり道徳にあります。
何が人間的、社会的に正しいことなのかを理解さえすれば、自ずと正しいことをしようと体が動きます。経営理念も究極的には道徳ですので、そこが合っていれさえすれば会社の理念も自ずと理解でき、そして会社のスピードに合わせられるようになるのだと思います。
澤柳 匠