駐在員事務所

法務

皆様、こんにちは、カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週もカンボジアの会社法について、皆様にわかりやすくご説明させていただきたいと思います。

 

カンボジアの会社法にて、進出形態として現地法人という形態が主要な進出形態として、規定されていますが、他にも「外国法人の駐在員事務所」「外国法人の支店」としての進出形態が定められています。今週は駐在員事務所に関して、ご説明させていただきます。

 

駐在員事務所に関しては、下記のような規定が会社法上にあり、行える活動に制限があります。2項にあるように営業活動を行うことはできないため、基本的に収益を上げることはできません。したがって、税金に関しては基本的に収益に課税される前払法人税や利益に課税される利潤税は対象にはなりませんが、費用に課税される源泉所得税や給与税は課税の対象となります。また、駐在員事務所はQIPの対象とはなりません。

 駐在員事務所は、独立した法人ではないため、取締役などの会社機関は必要ではなく、会社法275条で規定されているようにその会社が指定した管理者が駐在員事務所を管理することになります。

 駐在員事務所の場合、カンボジアに所在する駐在員事務所、外国に所在する他の事務所、すべて含めて一法人となりますので、外国税制との調整が必要になってきます。カンボジアにおいても外国税額控除等の規定があり、二重課税を防ぐ規定がありますので、うまく活用していくことが重要です。

 また、駐在員事務所の商号ですが、これは276条にあるように、本社の商号を用いる必要があります。

 

第274条(活動が認められる業務)

1商務代表事務所及び商務連絡事務所は、カンボジア王国において、次に掲げる行為をすることができる。

(a)親会社への紹介を目的とする顧客との接触

(b)商業情報の調査と当該情報の親会社への供与

(c)市場調査の実施

(d)展示会での物品の売り込み、並びに、自らの事務所又は展示会でのサンプル及び商品の展示

(e)展示会に向けた物品の購入及び保管

(f)事務所の賃借及び現地使用人の雇用

(g)親会社を代理して行う現地顧客との契約

2商務代表事務所及び商務連絡事務所は、継続的な物品の購入及び販売、役務供与、製造、加工並びに建設業務を行ってはならない。

 

第275条(管理)

商務代表事務所又は商務連絡事務所は、親会社によって任命および解任される1人以上の管理者によって管理される。

第276条(商号)

商務代表事務所又は商務連絡事務所の商号は、親会社の商号となるものとし、「商務代表事務所」又は「商務連絡事務所」という言葉が、その商号の上部又は前部に配置されなければならない。

 

今週は以上です。

上記の点でご質問ございましたら kumagai.keisuke@tokyoconsultinggroup.com

までお気軽にご連絡ください。   

 

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