皆さまこんにちは。
カンボジア駐在員の川原です。
今回は、カンボジアの電力事情についてお話しようと思います。
カンボジア国内の課題の一つとして「電力」があります。
カンボジアは従来、
国境近くの地域における電力を周辺国からの輸入で補ってきましたが、
現在は、そのほとんどを国内発電で賄うことが可能となっています。
主な電力源は、水力発電と石炭火力発電で、ほぼ同水準の稼働率であります。
電化率、電気の供給量の伸びとしては、順調であると言われている一方で、
依然として課題はあります。
・電気料金の高さ
・電力供給の不安定さ
カンボジアの電気料金は、
カンボジア周辺国と比較しても割高であるとデータで示されています。
2018年4月から電気料金の引き下げを実施しており、
郊外の現地事業者には実感があるようですが、
一方で、都市部に進出した日系企業からは電気料金引き下げの実感がないとの声があり、
節電などの対策を行なっているようです。
地域によって電気料金引き下げの実感がある地域とない地域が見受けられるのは、配電事業者が各地で異なることから電気料金の格差が生じているということがいえます。
また、プノンペン市内では、
2019年3月頃~5月中旬にかけて計画停電が実施されており、
電力不足による停電がしばし起きていました。
発電機を備えることによって、オフィスやホテル、アパートなどは
停電対策を行なっているようです。
日系企業がオフィスを構えるビルは、
比較的発電機を備えていることが多いように見受けられます。
さらに、農村への電力供給および電気料金の高騰や停電への対策のため、
太陽光発電を活用する例がみられます。
2017年12月に、鉱工業・エネルギー省(MME)が特定の農家などに、
小規模発電設備を整備し電気を供給する新事業を始めました。
あるSEZにおいては
「昨年9月から太陽光発電が稼働しているので電気料金の値上げがなく、
停電も少なくなっている」という声のほか、
「電気料金を抑えるためにソーラーパネルを使用することを視野に入れている」
と話す企業もあります。
カンボジアの電力事情は、
発電所建設案件の増加による国内発電量の順調な伸びが
国内電力消費量をカバーしている一方で、
残る農村部への配電方法や、周辺国より高い電気料金の決定プロセス、
停電に影響する送配電網の設備基準未整備など、課題があるといえます。
太陽光発電の活用や、日本の各方面への支援、
国内の電力事業に関するプロジェクト増加に伴う企業投資の加速が、
当課題の解決を進めていくとみられます。
今回は以上となります。
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株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
川原唯
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