皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は社債の会計についてご説明させていただきたいと思います。
IFRSでは社債は償却原価法を用いて計上します。償却原価法の定義に関しては、2016年9月6日更新のブログをご参照ください。企業が発行する自分の会社の社債ですから、負債科目として計上することになります。
社債の発行価額は必ずしも額面価額とイコールになるわけではありません。以下の関係があります。
表面金利>実効金利⇒プレミアム発行
表面金利<実効金利⇒ディスカウント発行
表面金利=実効金利⇒パー発行
社債の発行価額と額面価額の差額は社債発行差金として以前は繰延資産として日本では扱われていたことがありますが、現在はIFRS、日本基準どちらも、負債の社債科目の一部として計上することになります。つまり、プレミアム発行の際は、社債発行差金分だけ、社債の額面金額から追加で計上されることになります。ディスカウント発行の際は、社債発行差金分だけ、社債の金額が額面金額を元に控除されることになります。
社債利息を支払う際、次のような仕訳を切ることになります(ディスカウント発行の場合)。
Dr 社債利息 ××× Cr 社債 ×××
interest on corporation bonds corporation bonds
当座預金 ×××
current accounts
左の社債利息は実行利子率により計算した利息です。 右の当座預金の金額は表面利子率により計算した利息です。差額は社債に加算されます。償却原価はこのように期をまたぐごとに徐々に金額が変化し、最終的には額面金額になるように調整していきます。
今週は以上です。
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