こんにちは。
カンボジア駐在員の川原です。
今回は、カンボジアの投資環境についてお話ししようと思います。
現在、カンボジアで盛んに投資が行われている分野が製造業、
いわゆる縫製業や製靴などの労働集約型産業です。
これらの分野では、近隣諸国のタイやベトナム比較しても
かなり安く労働者を確保することが可能であり、
さらに労働者に対して社会保障手当等の負担義務が比較的低いことが、
進出が盛んになっている理由といえます。
また、農業、観光業、天然資源開発も
カンボジア王国が投資を推奨している分野であります。
カンボジア政府は、今後展開として、
精密機器などの電子、電気分野、天然ガスや石炭などの
資源開発分野について特に誘致を推奨しています。
カンボジア投資方法の最大の特徴は、
もっとも進出ハードルが低い制度設計になっていることです。
基本的に、株主や取締役に現地企業の参加や
パートナーシップの締結などは特に必要とされておらず、
外国資本100%での設立も可能ですし、
送金規制もほぼ制限がありません。
このように国内、外国投資家ともに
平等に取扱を受けることができます。
資本金に関しては、
約1,000USDから会社設立が可能であり(会社法144条)、
資金的にもハードルが低い設計となっています。
経済特区内に会社が存在する場合、優遇措置の適用もあり、
法人税や輸出入関税、付加価値税などの
免除を受けることも可能となっています。
また、雇用・労働に関する規制についても、
縫製・製靴工場従業者を除いては、最低賃金などの規制がなく、
他の東南アジア諸国と比較しても、
それほど厳しいわけではないと理解しています。
現在、日系企業数は、カンボジア日本人商工会に加入している数を見ても、
2007年に34社だったものの、2013年頃には約153社、
2019年4月現在では、約261社まで増加しています。
日系大手商業施設の進出、
それに伴い特に中小、個人事業を中心として、
サービス業の進出が相次いでおり、
「製造業のカンボジア」に加え、「内需のカンボジア」に向け、
着実に成長しつつあります。
カンボジアは、ますます今後の成長が楽しみな
東南アジア新興国の1つであるといえます。
株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
川原唯
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