皆様、こんにちは。カンボジア駐在員の公認会計士の熊谷です。今週は引当金の認識、測定の事例①についてご説明させていただきたいと思います。
★将来の営業損失について
将来の営業損失に関しては、負債の定義、引当金の認識要件に当てはまらないため、引当金を計上してはいけません。将来の損失が発生する見込みに関して、所有している資産に関して客観的な証拠が得られているのであれば、その証拠が得られた時点で、減損処理を行わなければなりません。
★不利な契約について
不利な契約とは、契約を履行する際の不可避のコストがその契約に関して得られる経済的便益を超過する契約のことです。この場合、資産がある場合は、資産の減損損失として認識しますが、その資産が存在しない場合、引当金を計上することにより、将来の損失を前倒しで計上することになります。
以下事例です。
例題34 株式会社ラオス商社は、単価200円で商品Aを300個売却する契約を交わした。
現在、商品Aは在庫として270個存在し、取得原価は単価220円である。期末日の仕訳を示せ。
(在庫の評価損の計上)
Dr 商品評価損 5,400 Cr 商品 5,400
Valuation loss on goods goods
商品の在庫270個に関して、取得原価(簿価)と売却単価(正味売却価額)を比較し、正味売却価額のほうが低い場合、簿価をその金額まで切り下げを行い、商品評価損を計上しなければならない。今回の場合は取得原価220円、正味売却価額200円であることから商品評価損を以上のように計上する。(220-200)×270=5,400円の評価損を計上する仕訳を切る。
(引当金の計上)
Dr 商品売却損引当金繰入額 600 Cr 商品売却損引当金 600
Loss of provision for selling loss Provision for selling loss
on goods on goods
残り30個の商品はこれから仕入れを行わなければならないが、単価は以前と同じものになる合理的な可能性は高いと考えて、引当金を前もって計上する。(220-200)×30=600の商品売却損引当金を計上する。
今週は以上です。
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