皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は「カンボジア自動車事情」についてお話しします。
カンボジアでは右側通行、左ハンドルで、右ハンドル車は輸入禁止のため、日本からの中古車輸出は皆無です。車齢制限は 2001年製以降とされていますが、この制限は事実上運用されていません。中古車の供給源は、乗用車はアメリカから、トラック・バスは韓国から、並行輸入の新車は中東の湾岸諸国から輸入されるケースがほとんどです。アメリカから輸入される乗用車は主に日本車で、特にトヨタ、レクサスが大部分を占めます。
一方製造については、車両組立工場は存在しませんが、カンボジア国内の経済特別区に日系自動車部品サプライヤーが進出しています。
カンボジアの自動車市場については、正確な統計資料の入手は困難ですが、概ね年間の四輪車の輸入台数が 5 万台前後となり、そのうち約90% は中古車及び海外の新車ディーラーからの新車並行輸入、残りの約10%が自動車メーカーから正規輸入代理店による新車の輸入と言われています。
カンボジアでは、外国人も含め125cc以下の二輪車は免許証の取得が不要と定められており、道路上では交通ルールを知らないドライバーが大半です。そのため、カンボジア人の運転マナー、特に二輪車の運転マナーは最悪の水準で、飲酒運転、逆走、信号無視、飛出し、割り込み、無理な追い越しは日常茶飯事です。
しかし、最近では警察のいない夜間であっても、赤信号を遵守しているドライバーも見られ、少しずつ改善されているという実感があります。
カンボジアにおける2017年の交通事故死亡者は1,976人ですが、二輪車の事故による死者が大部分で、ヘルメットを着装していれば死亡事故は免れたというケースが多くあります。ヘルメットの着用は義務化されていますが、カンボジアで売られているヘルメットの大半は、日本で言う安全基準を満たしておらず、安価なタイ製ヘルメット(3〜10米ドル)や工事用ヘルメット、自転車用ヘルメットを着用しているドライバーが大半です。
カンボジアでは、車線のない(または、あっても消えていて見えない)道路が多く、自動運転技術の普及には相当な時間がかかるものと予想されます。電気自動車の普及についても、周辺国と比べても割高であり、電力供給もまだまだ不安定なため、製造工場や市内への供給が優先され、電気自動車への普及は当面実現しないものと思われます。
今週は以上になります。
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株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
西山 翔太郎
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