皆様こんにちは、カンボジア駐在員の西山です。
今回は2019年1月からの賃金支給の規定ついてお話しします。
カンボジア労働職業訓練省(MLVT、以下労働省)は、昨年9月にPrakas442にて、労働法が適用される全ての企業は、2019年1月より従業員や労働者の賃金支給を毎月2回行わなければならないと規定しました。
1度目の支給については当該月の第2週で、純賃金の50%を支給し、2度目の支給は第4週に残りの50%にその他手当を増減した額を支給しなければなりません。
では、1度目の支給時期及び賃金税については、どのように決定すればいいのでしょうか。
Prakas 442では、1度目の支給を第2週に行うと規定していますので、2019年1月の例では、1月12日までが第2週となりますので、Prakas 442の解釈では1月12日までに支給するということになります。1月12日は土曜日のため、土曜日を祝日としている企業は、直前の営業日である11日が支給日となります。
或いは、1週間を7日とし、2週間で14日になるので、毎月14日までに支給するという解釈も成り立ちます。14日が週末又は祝日の場合は、直前の営業日となります。この解釈の場合、1月の支給日は1月14日の月曜日ということになります。
賃金税の計算については、従業員の月額賃金に対して課税されるため、今回の2回支給規定による影響はありません。
また、Prakas 442では1度目の支給額は純賃金の50%とされています。純賃金は、時間外手当などの追加手当を含まない賃金とされています。
ここで、1度目の支給分である純賃金(net wages)の50%の解釈について、賃金総額の50%とするか、税引後賃金の50%とするかという解釈が生まれます。
賃金税計算のためのUSドル/リエルの為替レートは毎月15日に税務総局より発表されるので、実務上、税引後賃金で計算しようとすると、1度目の支給時は前月の為替レートを使用し、2回目の支給賃金計算時に当月の為替レートを使用し全ての調整を行う必要が出てきます。
Prakas 442の規定に従わなかった場合、労働省より約420USドル、又は裁判所より320USドル600USドルの罰金が課せられる可能性が有ります。この罰則は、従業員全員の同意を得て賃金2回支給を行っていない場合も適用される可能性がありますので、Prakas 442の規定に沿わない形で運用を検討する場合、個別に労働省に調整や申請が必要になると思われます。
株式会社東京コンサルティングファーム カンボジア拠点
西山 翔太郎
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