こんにちは。東京コンサルティングファーム ブラジル駐在員の金内です。
今週はブラジル投資環境について記載いたします。
現在ブラジルでは、契約締結における審査が一層厳しくなっています。諸説が様々ありますが、外国資本企業を始め多くの投資がブラジルにて行われ、設立企業数が増えている一方で、忽然と行方が分からなくなる企業も比例して多くなっている事から、契約の段階で審査を厳しくしているといわれています。
例えば、銀行口座の開設にしても、ブラジル国内大手4行(イタウ・ウニバンコ、バンコ・ブラデスコ、ブラジル銀行、バンコ・サンタンデール・ブラジル)では、法人口座の開設に2~3週間かかり、個人口座に関しては、外国人個人が口座を開設するには、多くの書類を提出する必要があります。そのため、外国企業、外国人個人にとっては、HSBCなどの国際銀行を好む傾向にある様です。
また、不動産の契約に関しても同様のことが起こっています。企業が不動産の契約を行う場合、通常保証人として保険会社に委託し、そちらを以て信用に関する契約条件が満たされるのですが、最近では契約時にデポジットや前払い金として、賃貸料の6~12ヵ月分を納めるように要求されるケースもある様です。
企業間にて契約を行う場合の契約書についても、署名者(通常は法人代表者)の身分証明番号(RG/RNE)や納税番号(CPF)を明記される場合もあり、責任の所在をより一層明らかになるよう処置が行われています。
契約を行う際は必ず法務レビューを行い、内容についてしっかりと確認した上で契約を締結されることを強くお勧めいたします。日本企業の場合、契約書はポルトガル語で記載されているため解読に難を有することが多いですが、ポルトガル語と英語を併記した契約書であれば有効となりますので、そのように契約書を作成されると良いでしょう。
以上