こんにちは。
東京コンサルティングファームブラジルの濱咲克心です。
今週は先週に引き続き、ブラジルの教育システムについて記載します。
ブラジルの教育制度は、国家教育基本法により定められており、幼児教育から始まり、9年間の義務教育としての初等教育(Ensino Fundamental)、最低3年間の中等教育(Ensino Medio)、そして、高等教育(Ensino Superior)となっています。同法は、共通カリキュラムや授業内容などの適用についても規定しており、教育計画の指針にもなっています。
■幼児教育(Educacao Infantil)
幼児教育は、0歳~3歳の保育園、4~5歳の幼稚園、プレスクールがあり、国家カリキュラム教育指針により、幼児期にある子供の主体的発達を促進する教育と位置づけられています。
それぞれ私立と公立があり、公立は市教育局が管理運営し、無償で提供する義務があると定められていますが、多くの市では予算不足により、教育機関数が十分に足りているとは言えない現状があります。その為、私立の保育園、幼稚園は年々増えており、預ける時間帯も非常に柔軟に対応しているところも多くあります。
■初等教育(Ensino Fundamental)
初等教育は、義務教育となっており、以前までは8年間でしたが、06年に法律11.274号により、9年間に延長されました。従って、すべての国民は9年間の初等教育を受ける必要がありますので、ブラジルの初等教育の就学率は比較的高いといわれています。
また、公立校の学費は無料であり、教科書は支給され、給食も無料です。授業は平日半日のみであり、1日に2部、3部制を取っています。しかしながら、低所得者層の児童に焦点をあてると、留年率や退学率はいまだ高く、働きながら就学している生徒が多いことが理由に挙げられます。
授業内容は、2006年に制定された国家カリキュラム指針により、最初の4年間は社会科、自然科学、ポルトガル語の共通科目が中心の授業となり、残りの5年間は、必修外国語科目である英語かスペイン語に、選択科目の体育、宗教、保健などの授業が組み込まれています。