株式譲渡・取締役変更のポイント②

法務

 

前回は取締役と株主の要件、手続き開始時の注意点についてお伝えしました。

今回は、事例をもとに、手続きの注意点や組織変更のポイントをお伝えします。

 

【事例①】個人株主3名・役員3名→取締役1名追加。

当社は、個人株主3名で設立された法人で、個人株主3名が取締役になっています。新たに1名取締役を追加したいと思っていますが、どのような手続きが必要でしょうか。

【回答】

取締役は株主個人または株主企業から任命されたNominee Directorである必要があります。現時点では株主が3名で両方とも個人株主のため、Nominee Directorとしてもう1名を追加することはできません。そのため、

(A)個人株主3名が保有株式の内の何割かを法人に譲渡し、新たな取締役は、その法人からのNominee Directorとなる。

(B)個人株主2名が保有株式の内の何割かを新たな取締役となる個人に譲渡し、取締役となる。

 

【事例②】株主2名(個人・法人)・役員3名(個人株主本人・法人のNominee Director 2名)

→取締役1名解任

個人株主を役員から外し、役員は法人株主に選任されたNominee Director2名で運営したいと思います。また、定款には取締役会定足数が3名と記載があります。

【回答】

役員会定足数が3名となっている場合、2名で運用することはできません。そのため、2名での運営を行いたい場合、役員会定足数を2名に変更定款の変更が必要となります。定款変更が完了後に、役員1名の解任手続きを行います。

 

【事例③】

株主2名(個人・法人)・役員2名(株主本人及び法人のNominee Director1名)→法人の株式を別法人に譲渡。取締役はそのまま。

【回答】

前述の通り、バングラデシュでは取締役は株主個人または株主企業から任命されたNominee Directorである必要があります。今回のケースのように株主変更だけをして取締役は変更したくない場合、株式譲渡手続きに加え、現在旧株主企業のNominee Directorとして選任されている者を、新株主企業のNominee Directorとして取締役ステータスを書き換える手続きが必要となります。

 

 (以上)

 

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