バングラデシュの積立基金(Provident Fund)について

労務

バングラデシュでは社会保障の概念が日本と異なり、国民年金や健康保険の諸手当は、国家公務員のみに義務付けられています(地方公務員は対象外)。
その為、地方公務員や民間企業に勤務している多くの労働者は、国民年金等を受給できません。

また、新型コロナウィルス感染症の影響により失業者が増加傾向にありますが、失業手当の対象者も国家公務員のみとなっています。
(上記手当とは別に、バングラデシュ政府は生活困窮者への一時的な生活手当支給を発表しています)

 

バングラデシュには、企業が任意で導入できる積立基金制度(Provident Fund)が法律上設けられており、導入社数も少しずつ増えてきました。

積立基金の導入は義務ではありませんが、従業員の3/4以上が積立基金の新設を求めた場合、積立基金を導入する義務が発生します。
(労働法264条)

 

【積立基金導入の手順】

  • 雇用主及び従業員の代表からなる委員会を組織し、積立基金の具体的な規則を協議、確認を行います。
  • 積立基金専用の独立した口座も開設し、税務署にも届出を行い、監査を受けます。
  • 従業員から月額基本給の7%-8%(法定)を毎月給与から天引きし積立基金専用口座に積立て、会社側からもそれと同額を同口座に積み立てていきます。

企業によっては福利厚生の一環として、労災保険への加入も行っており、工事プロジェクトで進出している会社については労災保険に加入している場合が多いです。

今後企業が積立基金等を通して国民に対し社会保険提供の役割を担っていくことになりそうです。


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尾崎 一真
株式会社東京コンサルティングファーム

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