従業員の給与・源泉に係る年次コンプライアンス:Schedule F / G

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループバングラデシュ拠点の塚田 涼太です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「従業員の給与・源泉に係る年次コンプライアンス:Schedule F / G」についてお話していこうと思います。

バングラデシュに関する基礎知識が知りたい方は、こちらから▼
・バングラデシュの基礎知識
バングラデシュに関するセミナーに参加したい方は、こちらから▼
・バングラデシュ関連セミナー


従業員の給与・源泉に係る年次コンプライアンス:Schedule F / G

 本日は、「従業員の給与・源泉に係る年次コンプライアンス:Schedule F / G」についてです。

 バングラデシュでは、雇用主は従業員の給与・源泉に関する情報を年に1度取りまとめて、税務当局(DCT)へ提出する必要があります。これが、スケジュールFとスケジュールGです。本稿では、その内容と注意点を簡潔に解説します。

 

【スケジュールF(Schedule F)】

(目的)

 当該年度の給与課税(Salary Taxation)/源泉徴収(Withholding on Salary)の年次集計を報告する様式です(旧Section 108の後継運用)。

 

(必要情報)

・従業員情報:氏名/TIN(Taxpayer Identification Number)/役職

・金額情報:年間支給額(Gross Salary)/課税対象額(Taxable Income)

・給付・手当:Perquisites/Exemptions(住宅・通勤・医療・現物給付等の評価を含む)

・源泉・納付:月次源泉合計(Tax Deducted at Source)、政府勘定への納付状況(※Challan No./Date/Bank/Amountは別紙台帳で管理・突合が安全)

・特記事項:TIN未保有者・外国人従業員への支給情報/現金立替の払戻し 等

 

(提出期限)

 固定の法定日が明文化されているわけではなく、毎年の通達や所轄案内に従います。実務上は、個人確定申告(原則11/30)後に四半期WHT申告(翌月25日)と整合を取りつつ、年末〜年明けにスケジュール F/Gを取りまとめ(確定)します。

 

【スケジュールG】

(目的)

 従業員の確定申告(Income Tax Return)を提出した事実=PSR(Proof of Submission of Return)を年次で取りまとめて報告する様式です(旧Section 108Aの後継運用)。

 

(必要情報)

・TIN

・申告提出日(Date of filing)

・受付番号(Acknowledgement/Serial No.) 

※e-ReturnポータルのAcknowledgement/Certificateで確認可

 

(提出期限)

 スケジュールF同様に毎年の通達・所轄指示ベース。旧108A時代は4/30が目安でしたが、現行は個人確定申告(11/30)後、年末〜年明けにスケジュールFと併せて締める運用が多いです。1月または4月の四半期WHT申告のタイミングに合わせる例も見られます。

 

【注意点】

・雇用主は、従業員から個人所得税の確定申告書を提出した証拠(受付番号等)を収集する必要があります。

・四半期WHT申告(会社がいくら源泉して納付したか)とスケジュールF、スケジュールGで、金額などの不一致があると、税務調査等で指摘を受けるリスクあり。

・未収集や不備がある場合は、費用不算入等の税務リスクに直結します。

・Schedule F/Gは“所定様式”であり、提出方法・時期は個別通達(SRO)や個別案内で毎年確認してください。

 

【参考(制度背景)】

 2023年に所得税法(Income Tax Act, 2023)が施行され、従来の所得税条例1984(Income-tax Ordinance, 1984)から大幅に置き換えが行われました。これに伴い、源泉徴収(Withholding Tax)や給与税務(Payroll Tax)に関する届出様式・運用が整理され、「旧セクション108/108A」の年次提出は、新しい「スケジュールF / スケジュールG」へと実質的に置き換わりました。

 

【まとめ】

 雇用主は年次で従業員の給与・源泉情報を申告します。仮に、従業員が申告書を提出していなかったり、所得税を納めていなかったりすると、会社にリスクが発生しますので、ぜひ一度、自社の対応状況をご確認いただければと思います。

 

※本記事は、バングラデシュに関する一般的な情報提供のみを目的としたものであり、法的助言を構成するものではありません。

 

この記事に対するご質問・その他バングラデシュに関する情報へのご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。

※画像クリックでお問い合わせページへ移動します

【PR】海外最新ビジネス情報サイト「Wiki Investment」


※画像クリックでWiki Investmentページへ移動します

進出予定の国、進出している国の情報収集に時間かかりませんか?

進出してビジネスを成功させるためには、その国の知識や実情を理解しておくことが
必須となってきます。

しかし、情報が溢れかえっている社会では
どれが本当に信頼できる情報なのか?が重要になります。
そんな「信頼できる情報」をまとめたサイトがあれば、どれだけ楽に情報収集ができるだろう…

その思いから作成したサイトがWiki Investmentです!!

弊社東京コンサルティンググループは海外20カ国超に展開しており、
その現地駐在員が最新情報を「Wiki Investment」にまとめています。

【Wiki Investmentで何ができる?

・現地駐在員が毎週ホットな情報を更新するNews update

・現地に滞在する方からご質問頂く、
 より実務に沿った内容が記載されているQ&A集

・当社が出版している海外実務本をデータベース化したTCG書籍

などの新機能も追加しました!

 

経営者・幹部層の方におススメしたい【全ての経営者へ贈るTCGブログ】

※画像クリックで「TCGブログ」ページへ移動します

会社経営や部下のマネジメントをしていると、様々なお悩みって出てきませんか?

どうしたら、会社は良くなっていくんだろう・・・
・部下が育ってくれるにはどうしたらいいんだろう・・・

そういったお悩みをもつ経営層の皆様におススメしているブログがございます。
コンサルティングファームとして、これまで多くの企業様と関わり、
課題を解決してきたコンサルタント達による

経営課題や悩みについて解説したブログを無料公開しております。

もっと会社を良くしたい!、マネジメントについて学びたい!

そうお考えの皆様におススメのコンテンツとなりますので、ぜひご覧ください!

・「全ての経営者へ贈るTCGブログ」はこちらから


 

 

 

 

 

 

 

Tokyo Consulting Firm Limited(Bangladesh)

塚田 涼太(つかだ りょうた

※)記載しました内容は、作成時点で得られる情報をもとに、最新の注意を払って作成しておりますが、その内容の正確性及び安全性を保障するものではありません。該当情報に基づいて被ったいかなる損害についても情報提供者及び当社(株式会社東京コンサルティングファーム並びにTokyo Consulting Firm Co., Ltd.)は一切の責任を負うことはありませんのでご了承ください。

関連記事

オンアライバルビザ(VOA : Visa on Arrival)での入国方法

ページ上部へ戻る