知っておきたい!ベトナムの投資規制〜その他規制編〜

皆さん、こんにちは。

東京コンサルティングファームベトナムの進藤です。

 

本日はベトナムの外資規制(その他の規制)ついて書きたいと思います。

目次

 

■外国企業の土地所有に関する規制

ベトナムでは、土地は国民の共有財産であり、国有のものとされています(民法205条、憲法17条)。国は原則として、ベトナム国籍を有する個人・法人に土地使用権を付与しています。
したがって外国企業は、進出するに当たり土地を所有することは認められず、ベトナム政府から土地を賃貸する形となり、それに応じた使用料、賃貸料を支払うことになります。詳細な情報は法令番号45/2013/QH13です。

■外国企業の借入に関する規制

ベトナムで事業を行う場合、ベトナム国内にある銀行、また親会社等の海外からの借入をすることもできます。利用目的等には規制があります。

[ベトナム国内で借入をする場合]
ベトナム国内で借入をする場合、①ベトナム国内銀行から借入をする方法と、②外資銀行から借入をする方法があります。
ベトナム国内銀行からは、ドン建での借入をすることができます。一方、外資銀行から借入をする場合は、ドン建・外貨建どちらでも借入をすることができます。しかし、外貨建で借入をする場合には、利用目的に制限があり、海外からの輸入・サービスに対する支払資金、ベトナムから外国への投資資金、対外債務の期限前返済資金などの用途に限られています。輸入の場合、ベトナム製造品や商品の海外への輸出目的、短期的な国内資金の需要から輸出売上で得た外貨で十分返済が可能な場合に限られています。輸出の場合、ベトナム国内需要に役立てる目的で、製造や販売活動のために購入する輸入物品やサービスの代金の支払いの資金とか自身の事業活動で得た外貨を用いて、十分返済が可能な場合に限られています。また借入の申請には、必ず担保もしくは保証書を提出する必要があります。

[ベトナム国外から借入をする場合]
一般的に親会社等の関連会社から、運転資金等を補てんするために親子ローンが行われます。このような海外からの借入をする場合、ベトナムでは、その借入期間によって規制の内容が異なります。

・1年以内の短期借入
1年以内の短期借入による資金は、経常口座に必ず入金しなければならず、その用途は、運転資金に限定されます。この場合、ベトナム中央銀行への事前申請は不要となります。

・1年超の中長期借入
借入期間が1年を超える場合には、借入の都度、ベトナム中央銀行に事前申請を行い、借入登録証を取得しなければなりません。申請書類は、申請書に加え、投資証明書の写し、借入契約書の写しなどが必要です。
また借入れる資金は、資本金口座もしくは借入金専用口座を開設して、経常口座と区分して入出金管理をしなければなりません。
前述したとおり、外国企業に対して多くの業種が開放されましたが、法律の定義があいまいであること、法律と実態が異なることなどから、不透明な点が残ります。

■主な注意点

ベトナムでは、法律上、外国資本の規制に該当しない分野への投資であっても、実務上、規制がかかっていることもあるため、進出の際は、専門家に十分に相談する必要があります。
また、外国企業が投資許可証を取得する際に、事前に知っておくべきその他の主な注意点としては、下記のものがあります。

・親会社の実績に左右される
ベトナムで投資許可証を取得する際、ベトナムで始めようとしているビジネスの親会社での実績が非常に重要になり、親会社の定款の事業目的にベトナムで予定している事業が記載されている必要があります。たとえば、ベトナムでITのソフトウェア開発の投資許可証を取得したい場合は、その親会社の定款の事業目的にITソフトウェア開発が記載されている必要があります(またはそれに近い事業目的)。
また、親会社の定款に記載されていたとしても、業種によっては、親会社の実績を示すために取引先との契約書、請求書や写真などの根拠を示す追加書類を当局より求められることがあります。こういった
追加書類を求められると手続が大幅に遅れてしまうこともあります。

・流通分野は投資許可証の取得が困難である
流通分野(卸売、小売)に関しては、商務省令(10/2007/QD-BTM)によって2009年1月1日から100%外資による小売業への進出が可能になったにもかかわらず、投資許可証を取得するのが困難な状況にあります。特に2店舗目以降の開設許可についてはエコノミックニーズテスト(ENT)と呼ばれる審査を通過しなければならず、この審査手続に不透明な部分が残されており、外国投資を難しくしています。ただし、2013年6月7日から施行された外国企業の商品売買活動のガイドラインである通達(08/2013/TT-BCT)により、500㎡未満の店舗のENTは廃止されました。しかしながら法律と実態が異なるので、実際に許可が取れるかどうかは不透明な部分が残ります。ですからENTを避けるためにフランチャイズチェーン店を展開する小売店もあります。とはいえ、2018年1月15日より施行された政令(No.9/2018/ND-CP)の23条1項によってENTの免除条件が少々明確になりました。例えば、1)面積500㎡未満の規模である、2)トレードセンターに入っている、3)コンビニエンスストアや小さなスーパーマーケットではない、ということが記載されています。その他に審査基準も明記しています。今後の小売業の外資参入については、2018年3月8日にTPP11協定にて、2023年以降にはENTを撤廃すると約束したため、より一層参入がしやすくなると考えられます。

・飲食店は外資規制の対象
飲食店に関しては、2015年1月11日以降外資100%での投資に対する規制が撤廃されています。外資100%での投資に対する規制が撤廃されてからは特段の制約なく外資100%での飲食業への進出が認可されています。現在はマクドナルドも、5年前に比べると少しずつ増えて、ベトナムにおいては22店舗まで増えています(主にホーチミンにて)。その他、ピザハットやロッテリアやKFCなどの外資チェーンもあり、それぞれ増え続けています。2019年以降現在は日系のレストランだけでも1000店舗以上に達していると言われています。
ところで、ベトナム国内で販売するためには、HSコード(輸出入統計品目番号)と呼ばれる商品コードの登録が必要となります。このHSコードの中で、ベトナム政府が取得困難な品目を指定しています(商務省令1380/QD-BCT)。これらは外国資本にとっては取得が困難となり、事実上の国内販売の規制となります。

・実務上の最低資本金
資本金額の設定のない業種は原則自由に資本金を設定することが可能となっていますが、実務上、業種によってはある程度の資本金を用意する必要があります。たとえば輸入販売をする場合は、最低30万USドルほどの資本金を用意する必要があります。これも法律ではない事実上の規制となります。

 

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進藤英樹

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