国内にて適用される移転価格税制

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の小瀬悠也です!

いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「国内にて適用される移転価格税制」についてお話していこうと思います。

 

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目次

【国内にて適用される移転価格税制】

 こんにちは、ベトナム・ハノイ支部の小瀬です。

 本日は、ベトナムにおける移転価格税制の国内関連者間取引への適用につきまして、ご説明させていただきます。

一般的に「移転価格税制」と申しますと、国外の親会社とベトナム子会社間、あるいはその他の国外関連会社間の取引に適用されるものとご認識されている方が多いかと存じます。

しかしながら、ベトナムの移転価格税制は、国内の関連者間取引にも適用対象となります。

国内関連者間取引に移転価格税制が適用される理由

ベトナムにおいて移転価格税制が国内関連者間取引にも適用される主な理由は、国内の関連者間における価格設定を通じた税源浸食(Base Erosion)および利益移転(Profit Shifting)のリスクを防止することにございます。税源浸食とは、本来国や特定の地域に帰属すべき税収が不当に減少する事態を指し、利益移転とは、利益を意図的に税負担のより軽い法人や地域へ移す行為を意味します。ベトナム移転価格税制の根幹をなす法令である政令132/2020/ND-CP(以下、政令132号)は、国際的な関連者間取引のみならず、国内の関連者間取引も明確にその適用範囲に含めております。

国内取引における具体的なリスク

国内取引におきましても、例えば法人税率が異なる法人間(税制優遇措置の適用を受ける法人とそうでない法人など)や、繰越欠損金の有無を利用し、非独立企業間価格(non-arm’s length price)を設定することによって、グループ全体の法人税負担を人為的に軽減しようとする誘因が存在し得ます。そのため、移転価格税制は、関連者間における恣意的な価格操作を排除し、各法人が実際に遂行した機能、負担したリスク、そして使用した資産に見合う適正な課税所得を申告・納付することを確保する目的のもと、国内関連者間取引に対しても厳格に適用されるものとなっております。

ベトナム移転価格税制の主要なポイント

関連者の定義: 25%以上の資本関係や貸付金の割合など、具体的な基準に基づき、国内外を問わず関連者と定義されます。
適用範囲: 商品の売買、サービスの提供、貸付金利、有形・無形資産の移転(中古資産を含む)、資源の共有、費用分担契約など、多岐にわたる取引が対象となります。

 

独立企業間原則(Arm’s Length Principle): 関連者間の取引価格は、独立した第三者間で通常行われるであろう市場価格(独立企業間価格)に基づいて決定されるべきであり、これに基づき適切な価格調整を行うことが求められます。

 

文書化義務: 関連者間取引に関する価格設定方針や取引内容について、詳細な移転価格文書(ローカルファイル、マスターファイル、国別報告書等)を作成・準備し、税務当局の要求に応じて提出する義務が課せられております。税務当局による調査権限および更正権限も強化されております。
なお、2025年2月には、政令132号の一部を改正・補足する政令20/2025/ND-CPが施行され、関連者の定義や独立企業間価格レンジの取り扱いなどが一層明確化されると共に、一部厳格化された点もございます為、こちら移転価格税制に対する対応は専門家へのご相談のもとおすすめいただくことを推奨いたします。

 

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小瀬 悠也


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