ベトナム政府は2025年6月30日、企業登録に関する新政令「Nghị định 168/2025/NĐ-CP」を公布し、翌2025年7月1日より施行いたしました。本政令により、VNeIDおよび「国家住民データベース」を活用した企業登録(ERC)の変更・更新手続きのオンライン化が進められています。

現地法人の実務に関わる主な変更点は以下の通りです。

1. 概要(従来実務との比較)

  • 従来の実務:国家企業登録ポータルでの個別アカウント管理や、手続きごとの身分証明書類(公証認証済みのコピー)の添付が必要であり、窓口対応や書類不備による差し戻しに時間を要していました。
  • 新政令のポイント:国家住民データベースおよび電子識別認証システム(VNeID)との連携により、本人確認および登録情報の照合がオンライン上で自動化・簡素化されました。

2. 主な変更点

  • VNeIDによる完全オンライン手続き:申請者や委任された担当者は、VNeIDアカウント(レベル2)を通じた電子認証で手続きを行えるようになり、書類の法的効力が明確化されました。
  • 身元確認書類(公証認証済みのコピー)の扱いに関する注意点
    • ベトナム国籍者:VNeIDおよび住民データベースとの連動により、身分証明書の公証コピー提出が不要となりました。
    • 外国籍者(日本人駐在員など):VNeID(レベル2)を取得済みであれば添付省略が可能な場合がありますが、未取得の場合は従来通り有効なパスポートの公証コピーの提出が必須となります。
  • 実質的支配者(Beneficial Owner)の開示義務化:マネーロンダリング防止の一環として、資本金の25%以上を直接・間接に所有または実質的に支配する個人の情報を開示・登録する規定が盛り込まれました。

3. 手続きとリードタイム

  • 基本手順:
    1. 国家企業登録ポータルにVNeIDアカウントでログイン。
    2. 変更内容の入力および必要書類の電子ファイルをアップロード。
    3. VNeID認証または電子署名により申請を送信。
  • 処理速度の向上:システム上でのデータ検証・照合が行われるため、書類不備による差し戻しが減少し、審査・結果受領までのリードタイム短縮が期待されています。

4. おわりに・ご案内

新政令の施行により手続きの迅速化が進む一方、外国人関係者のパスポート公証の要否や実質的支配者情報の正確な開示など、実務面で個別の判断が必要となるケースがございます。

VNeIDを活用したERCの変更手続きや本政令に基づく実務対応にご不明点がございましたら、東京コンサルティングファーム・ベトナムまでお気軽にご相談ください。

免責事項
本記事は一般的な情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定の取引・契約に関する法的助言に代わるものではありません。個別の事案への適用にあたっては、必ず原文法令および適用時点の改正・追加規定をご確認いただくとともに、当社までご相談ください。