こんにちは。東京コンサルティングファーム ベトナム拠点の下田です。

ベトナムで事業を展開する企業の中には、事業再編や経営戦略の見直しにより、現地法人や駐在員事務所の閉鎖・撤退を検討されるケースがあります。

しかし、ベトナムにおける法人閉鎖(清算)は、日本の感覚よりも時間と手間を要することが多く、「何から始めればよいかわからない」という声をよく伺います。

一般的に、ベトナム法人の清算手続きには1年〜2年程度かかるケースが少なくありません。特に、税務・労務・行政手続きが複雑に絡むため、事前準備が非常に重要です。

今回は、ベトナム拠点の閉鎖・撤退を検討されている方向けに、清算手続きの基本的な流れと注意点をご紹介します。

1. ベトナム法人の清算で、まず確認すべきこと

閉鎖手続きを始める前に、以下の3点を確認する必要があります。

① 未払い債務の有無

会社清算の前提として、取引先への未払金、借入金、税金などの債務整理が必要です。債務が残っている場合、清算手続きが進まないことがあります。

  • 仕入先・取引先への未払金
  • 従業員への給与・退職金
  • 社会保険未納分
  • 税務申告漏れ・未納税額

② 労務対応

従業員がいる場合、労働契約終了に伴う対応が必要です。労務トラブルは、清算長期化の大きな要因になります。

  • 解雇・契約終了通知
  • 退職金計算
  • 社会保険精算
  • 労働組合関連費用の確認

③ 税務リスク

ベトナムでは、閉鎖時に税務調査(Tax Finalization)が行われるケースが一般的です。過去の会計処理や申告内容に問題がある場合、追徴課税・延滞利息・行政罰といったリスクが発生する可能性があります。

2. ベトナム法人清算の一般的な流れ

清算の流れは、概ね以下のとおりです。

ステップ 内容
① 閉鎖決議・社内承認 親会社・株主・取締役会等で、撤退方針を正式決議する
② 対外通知 関係当局や取引先へ閉鎖予定を通知する
③ 従業員対応 労働契約終了手続きや補償対応を進める
④ 税務精算・税務調査対応 過去の税務申告内容を確認し、必要に応じて修正申告を行う
⑤ 債務・資産整理 未収金回収、在庫処分、設備売却などを行う
⑥ ライセンス返納・法人抹消 ERC、IRC、税コードなどを順次閉鎖し、法人登録を抹消する

3. なぜ1〜2年かかるのか?

清算が長期化する主な理由は、以下の3点です。

  • 税務調査に時間がかかる:税務当局の確認待ちが長引くケースがあります
  • 過去の会計不備が見つかる:帳簿不備や証憑不足により修正対応が必要になることがあります
  • 労務問題が発生する:退職条件を巡るトラブルが長期化するケースもあります

そのため、撤退を決めてから動くのではなく、撤退を検討し始めた段階で準備を始めることが重要です。

4. 閉鎖・撤退を検討し始めたら、早めのご相談を

ベトナム法人の閉鎖・撤退は、法務・税務・会計・労務の各分野が密接に関わる複雑なプロジェクトです。

こんな段階でのご相談も歓迎です

「まだ正式決定ではないが、撤退の可能性がある」

「まず何から準備すべきか知りたい」

このような初期段階でのご相談でも、事前整理によってリスクや工数を大きく減らせる場合があります。

ベトナム拠点の閉鎖・撤退をご検討中の企業様は、ぜひ東京コンサルティングファームにお気軽にご相談ください。

【参照・引用元】
  • 本記事は執筆時点におけるベトナムでの一般的な清算実務に基づく解説です。所要期間や必要な手続きは、事業内容・拠点形態・過去の申告状況などにより異なります。
  • 上記は執筆時点の情報に基づきます。法律・制度は変更される場合があります。
【免責事項】
本記事は、執筆時点(2026年6月24日)の法令・実務情報等に基づいて作成しております。法令改正や行政運用の変更等により、内容が変更となる場合があります。
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