皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループベトナム拠点の下田琴美です!

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さて、今回は「ベトナム法人における赤字と税務監査の実務対応 」についてお話していこうと思います。

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ベトナムに進出した企業では、事業開始後に一定期間赤字となるケースは珍しくない。特に製造業では、設備投資や人材確保などの初期費用が大きく、短期的に利益が出にくい傾向がある。そのため、赤字であること自体は制度上問題とはされていないが、近年は税務管理が強化されており、赤字企業に対する監督も厳しくなっている。

ベトナムの法人税制度では、欠損金は最大5年間繰り越して将来の所得と相殺することが認められている。この制度により、進出初期の赤字は一定程度想定されているといえる。

近年、ベトナムでは税務監査の強化が進んでおり、特に赤字企業が重点的な対象となっている。実際に、今年実施される「テーマ別税務調査」では、赤字企業108社が税務調査の対象となったことが報告されている。 このように、赤字企業は税務リスクが高い対象として選定される傾向がある。

税務当局が赤字企業を確認する背景には、制度上の理由がある。ベトナムでは企業の申告内容について当局が確認・修正を行う権限を有しているため、継続的な赤字は申告内容の妥当性という観点で確認される。また、外資企業の場合には、親会社との取引があるケースも多く、その取引条件が適正であるかという観点も見られる。これは移転価格の問題として扱われる。

確認されやすい主な観点は以下の通りである。

・売上や利益の推移が不自然でないか
・費用構造(人件費、管理費など)が妥当か
・関連当事者取引の条件が適切か

赤字が続く場合、制度上および実務上いくつかの影響が生じる可能性がある。
主な影響は以下の通りである。

・税務調査の対象となる可能性が高まる
・取引価格の妥当性が確認される(移転価格)
・欠損金(赤字)の繰越は5年で期限切れとなる
・累積赤字がある場合、配当送金が制限される

赤字が発生している場合には、その背景や要因を整理しておくことが重要である。ベトナムでは、企業が申告した税務内容について当局が確認を行う仕組みとなっており、収益や費用の妥当性が確認される場合がある。そのため、赤字の発生理由についても、具体的な事業計画書や初期投資の内訳などの証憑を用いて合理的に説明することが求められます。

実務上は、以下の点を整理しておくことが有効である。

・赤字の発生理由(設備投資や市場開拓などの初期要因)
・事業計画と実績との差異
・今後の収益改善の見込み
・関連当事者取引の内容とその根拠

ベトナムにおいて赤字であること自体は制度上認められているが、近年は税務監査の強化により、赤字企業が重点的に確認される傾向がある。特に実際の監査事例があることからも、赤字が継続する場合には注意が必要である。

重要なのは、赤字を避けることではなく、その内容を合理的に説明できる状態を維持することである。制度を踏まえた上で、事業計画と実績の管理を行うことが、安定した事業運営につながるといえる。

東京コンサルティングファーム ベトナム拠点
下田琴美