こんにちは。東京コンサルティンググループトルコ支社の吉田瞬です。
今週も引き続き、トルコ国内の仮想通貨取引をテーマにお話させていただきます。
トルコにおける仮想通貨に対する規制
先週のブログでもお伝えしましたが、トルコ国内に置ける仮想通貨取引は近年非常に活発化しており、その主な要因として、米国との関係悪化により自国法定通貨トルコリラが継続して下落していること(金融不安)、加えて政情不安が挙げられます。2019年6月現在、仮想通貨取引に関して規制の整備が進められてはいますが、明確な規定やルールは未だ定められておらず、一方で取引の禁止もされていない状態です。こういった現状が仮想通貨取引市場の急速な拡大を助長していると考えられます。
官製仮想通貨「トルココイン」
昨年2月、ハイパーインフレに苦しむ南米のベネズエラが自国の原油を担保に運用を開始した「ペトロコイン」は記憶に新しいですが、トルコにおいても官製仮想通貨「Turkcoin(トルココイン)」の導入が検討されています。ペトロコインの運用開始直後、トルコの民主主義者行動党(MHP)の副議長、アフメト・ケナン・タンリクル議員が、仮想通貨の発行を求める報告書を作成し、トルココインを提案しました。報告書の内容によれば、トルココインは政府系ファンドによって担保される証券をトークン化したものであり、既存の仮想通貨よりもリスクが低いとされています。「仮想通貨元年」である2017年当初、トルコ当局は仮想通貨に対して懐疑的な見解を示していましたが、果たしてベネズエラに続く官製仮想通貨として実際に導入されるのか、今後ますますその動向が注目されるところです。
仮想通貨取引は、トルコの金融市場に置いても無視できない存在となりつつあります。
取引市場の拡大に伴い、トルコ政府が今後どのような法規制を敷いていくのかという点についても、注視していく必要があるのではないでしょうか?
今週は以上となります。
弊社では進出前の調査から会社設立、会計・事務、法務・労務まで進出に係るサポートを一貫してご提供しております。トルコへの進出に関してご質問やご不安等ございましたら、お気軽にご連絡頂ければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます。
東京コンサルティングファーム・トルコ拠点
吉田瞬
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参考資料
finder ‘Is bitcoin legal? Cryptocurrency regulations around the world’
https://www.finder.com/my/global-cryptocurrency-regulations
COINTELEGRAPH ペトロに続け! トルコとイランも官製仮想通貨を発行へ
https://jp.cointelegraph.com/news/turkey-iran-to-release-state-backed-cryptocurrencies-on-heels-of-venezuelas-petro