こんにちは。
東京コンサルティンググループトルコ支社の小坂理加です。
今回は、【トルコの投資規制について】お知らせいたします。
トルコでは、海外からトルコ共和国への投資を促進するために作られた政府機関(ISPAT:トルコ共和国首相府投資促進機関)が存在します。新外国直接投資法の導入により、会社設立手続の簡素化、審査承認制から届出制への変更、手続期間の短縮、紛争解決の際の国際調停機関の介在保証など、外資に対する投資環境の改善なども行っています。
トルコ投資促進機関のサービスは全て無償となっています。
このように、海外投資家が参入しやすいよう投資環境整備にも力を入れています。
一方で、自国産業を保護する目的で外資に対し規制を定めているものもあります。
下記3点については、規制がありますので注意が必要です。
目次
1. 規制業種・禁止業種
原則すべての業種において外資の参入を認めていますが、以下の業種については、規制・禁止の対象となっているため留意が必要です。
- 放送メディア分野における最大外資比率は50%。既に放送メディアの共同出資者である外国投資家は、他の民間企業の株式を追加保有することは不可となっております。
- 民間航空、国内海運、港湾業務、大学以外の教育施設では外資比率は最大49%に制限されています。
- 空港管理部門は民間資本投入に関する制限はないが、トルコ軍からの認可交付が必要となります。
- 直接的な石油事業への投資を行おうとする外国企業には、石油法12条に基づく条件が適用されます。
- ヨットハーバー管理部門の事業は、海事庁の承認と文化観光省の文書があれば外資比率100%でも可(観光事業の奨励に関する法律第2676号)とされています。
- 鉄道輸送インフラ部門は、トルコ国有鉄道協会のみの特権であり、外資参入はできません。
- 漁業(生産除く)は、外資参入はできません。
2. 外国企業の土地所有の可否
2012年に不動産登記法が改正されました。
それに伴い、外国人・外国企業による土地・不動産購入制限の法律が緩和されました。
外国人・外国企業が購入できる土地・不動産は25ヘクタール以下と規定されています。
しかし、閣議決定により30ヘクタールまでは拡大が認められます。
万が一、閣議で承認されれば、さらに上限を2倍まで引き上げることも可能となります。
4. CEマーキング制度
トルコでは、通関時にトルコ規格院(TSE:Türk Standardlari Enstitüsü)による検査・承認が義務付けられています。
同じ製品であっても輸入するたびに検査が必要となります。
CE(欧州基準)マーキングは、原則としてEU域内向けに販売される指定の製品に貼付を義務付けられる基準適合マークです。
該当製品の製造業者もしくは輸入者、または第三者認証機関が所定の適合性評価を行い、製品、包装、添付文書に付与されます。
トルコでのCEマーキング制度はEU基準と同等には確立していません。
そのため、突然の輸入規制を通達されることがあります。例えば、以前はCEマークが不要であったものが事前通告なしにCEマーク取得を必要とされ、予定どおりにトルコ向けに輸出ができなくなる場合があります。
以上のように、トルコでは自国の産業を守るために投資規制が行われていることに注意が必要となります。
しかし一方で、トルコは、世界的に見ても海外から投資が行い易い環境が整っている国でもあります。
トルコへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。
今週は以上となります。
トルコへの進出、トルコにおけるビジネスの展開に関して無料相談も行っておりますので、上記内容以外にもご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございます。
参考資料
・Turkish Laborlaw
https://turkishlaborlaw.com/uncategorized/covid-19-in-turkish-labor-law/
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株式会社東京コンサルティングファーム
トルコ支社 小坂 理加
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