トルコでの取締役会について

こんにちは、トルコ駐在員の高津です。

 

今週は、トルコ商法内で定められている取締役会について記載します。

■ 取締役

取締役は、すべての会社に設置され、株主総会の権限以外の、 すべての事項について、決定する権限を持っています(625条1項)。複数の取締役を設置 している場合、原則としてすべての取締役は平等の権限を持っています(627条1項)。

 

■ 人数

2012年7月施行の会社法では、取締役の人数は1名から認められることになりました(359条1項)。

 

■ 要件

株式会社の取締役には原則として要件はありません。また、個人のみならず、法人もなることができます(359条1項)。ただしその場合、当該事項をウェブサイト上で公表する必要があります(359条2項)。

取締役が2名以上で構成されている場合、4分の1以上の取締役が、高等教育を受け、大学を卒業している必要があります(359条3項)。

 

 

有限会社においては、取締役のうち 少なくとも1人は株主からの選出が要件とされています(623条1項)。

 

■ 選任・解任取締役の選任および解任は、株主総会普通決議により決定されます(616条、620条)。また、取締役会により行うことも可能です(375条d)。なお、設立時取締役については、 定款により選任されます(339条3項)。

 

■ 代表権代表権を持つ取締役、また は設置された取締役が1名のみの場合は、当該取締役はトルコ国内に在住しているトルコ市民でなければなりません(359条1項)。

 

■ 責任取締役は、競業避止義務を負います(396条1項)。すなわち、取締役は自身が所属する会社と同種の事業を行うことが禁じられています。同種の事業を行うためには、株主総会による許可が必要となります。取締役がこれに違反したときは、会社に対しその損害補償するよう、他の取締役は責任を追及することができます(396条2項)。

 

■ 取締役会

トルコの会社は取締役会を設置することができます(359条1項)。その場合、取締役の要件と同様に、4分の1以上の取締役が、高等教育を受け、大学を卒業している必要があります(359条3項)。

取締役会の権限と義務は以下のとおりです(357条)。

・会計、会社の管理、財務計画に関する決定

・会社の日常業務運営についての監督

・取締役の選任および解任・株主総会開催の決定

・株主総会への年次報告書の提出

 

その他、会社の活動状況と財務状況を正確に年次報告書に反映させる必要があります(516条1項)。年次報告書に記載すべき事項は、会社に発生した重要な事項、会社の研究開発の内容、取締役の報酬等があります(516条2項)。また、産業通産省を通じて年次報告書に記載すべき事項が規定されることがあります(516条3項)。

なお、取締役会はオンラインによる開催および投票が可能となっています(1527条1項)。

 

高津 幸城

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