タイ国個人情報保護法(PDPA)の適用再延長が決定!

皆さま、こんにちは。
東京コンサルティングファームタイ法人の植村です。

2021年5月5日の閣議決定にて、タイ国個人情報保護法(PDPA)の適用再延長が決定されました。

今回は、PDPAの概要とPDPAの冒頭部分(1条~7条)に関して、確認していきたいと思います。

2019年5月28日に施行された個人情報保護法(PDPA)について、適用開始まで1年間の準備期間がありましたが、

2020年5月中旬に、適用開始日が2021年6月1日へと延長する発表がありました。

適用開始に向けて、政府非公式ではあるものの、600ページにもわたるガイドライン(Thailand Data Protection Guidelines 3.0、3.1)が2020年12月末、2021年3月に発表され、

いよいよ適用開始かと思われていましたが、2021年5月5日の閣議において、適用開始の再延長が決定し、現時点での適用開始予定日は、2022年6月1日からとなりました。

なお、現時点でも当局からの公式通知は行われておりませんが、間もなく通知書が公表されるかと存じます。

適用開始は2022年6月1日からとなりましたが、ガイドラインの発表内容が、今後大きく変更されることは考えにくく、現時点で未だ発表されていない部分

(個人情報の越境移転に関する内容等)が明らかになり、発表内容によっては、追加資料の準備を行う必要が出てくる可能性があります。

1年間の追加猶予期間があるため、PDPAの概要と、重要な条文を改めて確認し、必要規定の準備を進めていきましょう!

 

さて、今回のブログでは、PDPAの概要と、PDPAの冒頭部分(1条~7条)の中から、特に重要な条文に関して、説明していきたいと思います。

前述した通り、PDPAは2019年5月28日に施行されました。法律は、以下の通り、全96条から構成されています。
個人情報保護(1条~7条)
第1章:個人情報保護委員会(8条~18条)
第2章:個人情報保護(19条~29条)
第3章:データ主体の権利(30条~42条)
第4章:個人情報保護委員局(43条~70条)
第5章:苦情(71条~76条)
第6章:民法上の責任(77条~78条)
第7章:罰則(79条~90条)
経過規定(91条~96条)

96ある条文の中でも、重要な部分は、個人情報保護(1条~7条)、第2章の個人情報保護(19条~29条)、そして第3章のデータ主体の権利(30条~42条)です。1条~7条の個人情報保護については、用語の定義や、適用範囲、適用除外が明記されており、第2章の個人情報保護(19条~29条)については、個人情報の取り扱いに関して、詳細内容が記載されています。第3章のデータ主体の権利(30条~42条)では、題名はデータ主体の権利となっているものの、データ管理者、データ処理者、及びデータ保護責任者の義務についても第3章に明記されています。

上記に挙げた章項目の中から、今回は、冒頭部分の個人情報保護(1条~7条)の中から、用語の定義(6条)、適用範囲(5条)、適用除外(4条)を確認していきたいと思います。

◇用語の定義(6条)
6条で明記されている用語の定義の中でも、覚える必要のある項目は①個人情報、②データ管理者、③データ処理者の3つとなります。
「個人情報(Personal Data)」とは、直接的・間接的を問わず、個人の識別を可能にする、個人に関連する情報を指します。なお、死亡した個人の情報は含まれません。
「データ管理者(Data Controller)」とは、個人情報の収集、使用、開示に関して、決定を下す権限と義務を有する、個人または法人を指します。
「データ処理者(Data Processor)」とは、データ管理者の命令に従って(またはデータ管理者の代わりに)個人情報の収集、使用、開示に関連する活動を行う個人または法人を指します。

また、用語の定義の中では明記されていませんが、条文では、データ主体(Data Subject)という用語が頻繁に登場します。
「データ主体(Data Subject)」とは、特定されたまたは特定可能な自然人を指します。

用語の定義自体は難しくないかと思いますが、条文を読む際には、データ管理者とデータ処理者の定義が混合しないように気を付けましょう。

◇適用範囲(5条)は、
5条では、PDPAの適用範囲について明記されています。条文では、タイ国内に所在する「データ管理者」または「データ処理者」による個人情報の収集、使用、開示がPDPA適用範囲の原則となります。また、有償無償に関係なく、タイ国内にいるデータ主体に対して、商品またはサービスの提供がある場合や、データ主体のタイ国内での行動を監視する場合についても、PDPAの適用範囲となります。なお、データ管理者がタイに所在がない場合でも、上記の適用範囲に該当する場合は、データ管理者は、代理人を書面にて選定する必要があります。(37条 (5) )

◇適用除外(4条)
PDPAの適用除外(4条)は、以下の6通りの活動となります。これらの活動に該当する場合は、PDPAの適用範囲外となります。

今回のブログでは、PDPAの概要と、冒頭部分の個人情報保護(1条~7条)から特に重要な条文(4,5,6条)を説明させて頂きました。次回のブログでは、個人情報の取り扱いにが明記されている第2章の個人情報保護(19条~29条)について説明していきたいと思います。

PDPAの内容に関して、ご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせくださいませ。

以上
東京コンサルティングファーム
植村 寛子


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