法人税率が低いことで名高いシンガポールですが、日本の消費税に当たるGST(Goods and Services Tax、財貨及びサービス税)については7%と、日本に近い税率が適用されています。
(2025年までに9%まで引き上げられる予定)
今年2月に公表された2018年の予算案では、このGSTが輸入サービスにも課税されるという点が大きな特徴です。
従前、サービス提供者、販売者側の企業が国内の場合に限って課税されていたGSTですが、音楽、書籍など電子販売が流行する昨今の市場では、同じコンテンツに対して課税された国内の企業が販売するより、非課税の外国にある企業が販売した方が価格は低く抑えられるという、ねじれた現象がみられるようになりました。
これを解消するために導入されるのが、リバースチャージ方式という課税方法です。
お金の流れで簡単に図示すると、以下のようになります。
輸入取引
消費者C>(107%)> 国内企業B >(100%)>外国企業A
>( 7%)>政府G
非輸入取引
消費者C>(107%)> 国内企業B >(107%)>国内企業D>( 7%)>政府G
輸入取引において、サービスの受け手である国内企業Bから政府GがGSTを受け取ることにより、消費者Cに向けて販売する国内企業Bの仕入れ価格を、非輸入取引の場合に国内企業Dから買い取る場合の仕入れ価格と同じに調整できるという仕組みです。
この税制は2020年1月1日より導入予定で、すべての課税対象輸入者に申告義務が課せられます。
一方、シンガポール国内の消費者に直接サービス提供する外国企業に対しては、年間100,000 SGD以上のサービスを提供する外国企業に限って、GST課税業者としての登録が義務付けられることになります。
電子販売の企業にとっては影響の大きい変更になりますが、企業を誘致して国内を活性化させるというシンガポールの政策が強く表に出た税制と言えるでしょう。
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