概ね以下のとおりですが、各機関の属性や内部規定によって異なります。
目次
1、本人確認
会社設立関係者、すなわち株主と役員が主に確認対象となります。
しかしそれだけでは済みません。
株主が法人である場合は、その株主の実質的な所有者である個人が誰であるかを追求されます。
名義を借りている場合でも同様です。
また、パスポートなどの確認を現物確認、役員の原本証明などをもとに行います。
なお、対面での面談ではない場合はリスクが高いと認識される可能性があります。
2、当事者の規制対象の有無の確認
各機関がマネーロンダリングやテロ資金供与に関与している人物ではないかを確認します。
国連が開示している制裁対象者、団体との照合から、インターネットの検索まであらゆることが対象となります。
なお、重要な政府関係者であるか調査されることが少なくありません。
これは汚職などのリスクが高いと認識されているためです。
3、取引内容、理由、資金源等の確認
取引内容の詳細について質問されることがあります。
会社設立であれば設立の理由、事業の内容、出資金の出どころなどが聞かれ、不透明な点がないかが検討されます。
また取引先国が国連制裁対象国である場合などは、さらに詳細な取引内容の開示が求められたりします。
4、疑義のある取引の当局への報告
マネーロンダリングなどの疑義がある取引があるため、各機関には当局への報告義務が課されています。
この点、当局が挙げている疑義のある取引の例として、セクレタリーなどの住所を借りている、外国の役員がシンガポールを訪問して会社設立を行ったとほぼ同時に銀行口座が開設されている、銀行のサイン権者が国外に住む役員や株主である、など日系企業がシンガポール進出にあたってよくある状況が列挙されています。
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吉岡大樹
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