シンガポールにも監査要件緩和!より多くの小規模会社を誘致へ

会計

シンガポールの監査

日本では大企業くらいにしか求められない財務監査ですが、外国では一般にほとんどの会社が毎年監査を受ける必要があります。

シンガポールも例にもれず、会社法によりすべての会社に毎年財務監査を受けることが求められています。(シンガポール会社法201.(8))

具体的には、会計年度末から6か月以内に、株主総会で指名した監査人の監査を受け、その監査報告書付の財務諸表をもって年次株主総会を開催する必要があります。

 

監査の費用

 

大手監査法人からローカル監査法人まで、監査にかかる費用は幅があり、また年間の取引量によっても価格が変ってくるのがシンガポールですが、どれだけ安くても以下の価格帯になるという点で、ある程度の経済的負担は覚悟しなくてはなりません。

 

監査の免除

以下の3条件のうち2つ以上に該当する企業は、小規模会社(Small Company)として監査の免除を受けることができます。(シンガポール会社法205C.)
1.年間売上高が1千万SGD以下である
2.総資産額が1千万SGD以下である
3.総従業員数が50人以下である

この条件であれば、シンガポールに設立した直後の企業はほとんどが該当するということになりますが、この条件は親会社と合算した決算書の数字、いわゆる「連結ベース」で設けられたものであり、親会社が株主の場合には、ほとんどの会社が小規模会社の条件に該当しません。

なお、監査免除の申請はACRAの専用ページ「BizFile」から行うことができます。

変化の兆し

上記の規則は2015年7月1日に導入されたものですが、中小企業に対する負担が大きいということで、見直しを求める声が上がっています。

8月17日にStrait Timesに掲載された記事によれば、今年2018年6月から、シンガポール政府主導のプロジェクトの入札に際して、年間売上高が500万SGD以下の企業には監査済み財務諸表の提出が免除されることになりました。

また、今年2018年10月には、同様にシンガポール政府主導のプロジェクトに申し込むサイト「GeBiz」におけるBizFileにおいて、会社印(Company Stamp)を押印する必要がなくなる見込みであるとのことです。

この動きが加速して、徐々に小規模会社として監査免除となる要件も緩和されていけば、もう少しシンガポールにおける会社維持費が軽減できるものと期待されます。

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