こんにちは、シンガポール駐在員の和久井です。
先日、会社法の大改正に向けて、シンガポール財務省は運営委員会が4年もの修正見直しのうえ提出された217改定勧告のうち192項目を受け入れたことが発表されました(その他17項目は修正、8項目は却下となりました)。過去数年間にわたり会社法の修正案が続いており、今回の受け入れは、財務省が会社法の訂正案に賛同したことによります。
今回は会社法が成立された1967年以来、最大の変更項目数とされ、その背景には中小企業への会社規制やコンプライアンスによる費用負担を軽減や、他にも株主や民間投資家に対し優遇されるといった配慮が大きいとされます。具体的に主な目的として、法的な要求事項の軽減、最小限のコンプライアンスコストに抑える、より柔軟な適応を可能にする、そしてより優れた企業統治の働きかけなどが挙げられており、外資投資にとってもメリットが増えると考えられます。
今回の変更の一例として、例えば監査免除対象項目のひとつに、これまで年間売上高500万SGD以下と設定されていたが、今回の改正で1,000万SGD以下の場合に免除となるため、25,000企業ほどが監査免除を享受することとなります。その他、企業全般は議決権が異なる株式の発行ができるようになることや、情報開示については、現時取締役だけでなく、最高経営責任者までも取引において、あるいは自社株主、関連会社と利益の衝突があった場合、情報開示を義務付けられるなど、開示がより強化されることになります。
なお上記の訂正最終決定の前に公開されるのは明年2013年の中旬とされており、実施適応される時期はそう遠くはないとされます。
以上