2018年第三クオーター(Q3)が間もなく7月1日より始まります。
Q3から導入される大きな税制度の変更はありませんが、実務上少し取り扱いが変わるのが、政府機関との電子取引の際に求められるログインID、SingPassとCorpPassです。
それぞれの基本的な内容を確認しておきましょう。
1.取得方法
SingPassの取得は、シンガポール人、PR(永住権保持者)、各種パス保持者、ワークパーミット保持者のそれぞれに与えられた権限です。
これは、NRIC(身分証)まはたFIN(外国人登録証)が付与されていることを意味しますが、このほかにSMSが受け取れる電話番号、及び書類が受け取れる住所を持っていることが必要になります。
必要情報を入力して登録を終えると、5営業日ほどで登録住所にパスワードが記載された書簡が郵送されます。そのパスワードでログインし、新しいパスワードを再設定すれば、登録完了となります。ログインパスワードを忘れると、都度郵送を受けるために5営業日ほど時間がかかるため、注意が必要です。
CorpPassの取得権限はシンガポールIRASにて登記を行った各企業に与えられます。
それぞれの企業から2名まで管理者(CorpPass Administrator)を立て、その個人情報(NRIC/FIN、氏名、メールアドレス、SingPassIDなど)と登記上の代表者(Registered Officer、管理者が代表者であってもいい)の情報(NRIC/FIN、氏名、メールアドレスなど)を入力すれば取得が可能です。
SingPassと違い、CorpPassのIDは自ら指定することができますが、一度設定したものは二度と変更できないため、注意が必要です。
代表者のメールアドレスに承認用メールを送らせて承認するか、承認フォームをダウンロードして署名したものをアップロードしてCorpPassの承認が得られれば、管理者登録が完了します。
管理者の下にはさらに下位管理者(Sub-administrator)を設けることができ、それぞれどのサービスにアクセスする権限を与えるか、選択することができます。
2.用途
SingPassは主に個人に属する以下のようなサービスを利用する際に必要となります。
・ 個人所得税の申告
・ CPF残高の確認
・ 物件(Flat)購入などの申請
CorpPassは企業に属する以下のようなサービスの利用に必要となります。
・ ビジネスライセンスの取得申請
・ 企業補助金(Business Grant)の申請
・ 法人所得税の申告
いずれも、登録携帯電話番号に送られるSMS(または専用トークン)に表示のワンタイムパスワードによる認証が必要になります。
3.変更点
これまで、企業に属する以下のサービスには、SingPassとCorpPassのどちらからでもアクセスすることができました。
・ MOM(労働省)のEPOL(ビザの申請、管理)
・ CPFの申告、閲覧
・ MINDEF(防衛省)のNS Portal(徴兵時給付金申請)
2018年Q3から、少なくとも以下のサービスに関してはCorpPassでのログインが必要となります。
・ MOM(労働省)のEPOL(ビザの申請、管理)
・ IRAS(内国歳入省)のe-Service(電子申告)
法人所得税などの電子申告、従業員のEP等申請などはCorpPassでログインが必要になる点には注意が必要です。
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