【2026年最新版】シンガポール法人設立 完全ガイド

皆さん、こんにちは!
東京コンサルティンググループ シンガポール拠点の飯島 淳です!
いつもブログをお読みいただきありがとうございます。

さて、今回は「【2026年最新版】シンガポール法人設立 完全ガイド」についてお話していこうと思います。

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目次

【トピックのタイトル①】

【2026年最新版】シンガポール法人設立 完全ガイド

資本金・費用・駐在員事務所との違いを専門家が徹底解説

 

「シンガポールで法人を設立したい。でも、どの形態が自社に合っているのか、本当に資本金は1ドルでいいのか、費用はどのくらいかかるのか…」

このような疑問を抱えたまま、情報収集だけが長引いていませんか?

本記事では、シンガポール法人設立に関する以下の3大テーマを、実務経験に基づいて徹底的に解説します。

どの設立形態(現地法人・支店・駐在員事務所)を選ぶべきか

資本金は実際いくら必要か(「1ドル」の真実と実務上の適正額)

設立にかかる費用・スケジュール・必要書類の全体像

 

また、銀行口座開設失敗・就労ビザ(EP)却下・駐在員事務所の落とし穴など、現地で実際に起きている「失敗事例」もあわせて紹介します。情報収集から意思決定まで、この一記事で完結できるよう設計しています。

 

第1章 あなたに合う設立形態はどれか?結論から解説

 シンガポールへの進出を検討する企業が最初に直面するのが「どの形態で進出するか」という問題です。外国企業の主な選択肢は以下の3つです。

 

1-1. 3形態の比較早見表

 

比較項目 現地法人 支店 駐在員事務所
法人格 あり(独立した法人) なし(本社の一部) なし(本社の一部)
活動制限 ほぼなし ほぼなし 営業・収益活動は不可
存続期間 無期限 無期限 最大3年
法的責任 法人が責任を負う 本社が責任を負う 本社が責任を負う
税務優遇 シンガポール税制が適用 一部優遇なし なし
銀行口座 開設しやすい 比較的可能 困難なケース多い
おすすめ対象 本格進出・長期拠点 本社との一体運営 市場調査・テスト

 

1-2. ケース別おすすめ:結局どれを選ぶべきか

 

【本格進出・長期的な事業展開を考えている場合 → 現地法人一択】

 現地法人(Private Limited Company)は、シンガポール国内法に基づく完全な独立法人として扱われます。シンガポール政府が提供する税制優遇・スタートアップ支援制度・補助金制度のほぼすべてが現地法人のみを対象としているため、長期的な事業展開を前提とするなら現地法人の一択です。

また、現地法人は本社から切り離された独立した経営判断が可能であり、シンガポールを起点にASEAN各国への展開を目指す場合にも最適な形態です。2026年現在、シンガポールに進出する日系企業の大多数が現地法人形態を採用しています。

 

【本社との一体運営・赤字を本社で計上したい場合 → 支店】

 支店(Branch)は、法的には本社の延長であり、法人格を持ちません。最大のメリットは、シンガポール支店で発生した欠損金を日本本社側に計上できる点です。初期段階で赤字が見込まれる事業において、グループ全体の税負担を軽減する目的で活用されることがあります。

ただし、本社の決算書(日本語であれば英訳も含む)をシンガポールのACRA(会計企業規制庁)に毎年提出する義務があるなど、コンプライアンス負担が増える側面もあります。近年は長期展開を前提とする企業では支店形態を避ける傾向が強まっています。

 

【まず市場調査だけしたい・すぐに撤退可能性がある場合 → 駐在員事務所(ただし注意あり)】

 駐在員事務所(Representative Office)は、営業活動・収益活動が一切禁止された「調査拠点」です。初期コストを抑えながらシンガポール市場を試せる点は魅力的に映りますが、最大存続期間が3年という制限があります。

3年後に現地法人や支店に切り替える場合、顧客との契約関係・口座・ビザなどをすべて一から設定し直す必要があり、実務上の負担が非常に大きくなります。「いずれ本格展開する予定がある」のであれば、最初から現地法人や支店で進出した方がトータルコストは低くなるケースが多いです。

 

【専門家の見解】駐在員事務所を選ぶべきでないケース

・ 3年以内に本格的な事業展開を考えている

・ 現地で顧客や取引先と契約を結ぶ必要がある

・ 就労ビザ(EP)取得者を現地に置きたい

・ 銀行口座を法人名義で開設する必要がある

上記のいずれかに該当する場合は、駐在員事務所ではなく現地法人または支店での設立を強くお勧めします。

 

第2章 資本金は本当に「1シンガポールドル」でいいのか

 

 シンガポール法人設立の情報として最も広まっているのが「資本金は1シンガポールドルから設立可能」という事実です。これは法律上正確ですが、実務上は大きな誤解を生んでいます。

 

2-1. 法律上の事実:最低資本金規制は存在しない

 シンガポールの会社法(Companies Act)には、日本の旧商法のような最低資本金制度は存在しません。理論上、資本金1シンガポールドル(約100円)から会社を設立することが可能です。また、資本金は日本円・米ドルなど外貨建てでの設定も認められており、設立後の増資も自由に行えます。

 

2-2. 実務上の現実:「1ドル資本金」が引き起こす3つのリスク

 

リスク① 就労ビザ(EP)が通らない

 シンガポールで外国人が就労するには、Employment Pass(EP)の取得が必要です。EPの審査では、会社の財務的な健全性・実体性(Substance)が厳しく確認されます。資本金が著しく低い場合、審査官に「実態のないペーパーカンパニー」と判断されるリスクが高まります。

2024年以降、シンガポール人材省(MOM)によるEP審査は一層厳格化されており、特に中小規模の日系企業においてEP却下事例が増加しています。実務経験上、資本金が少なくとも数万SGD以上なければEP申請の土台にすら立てないケースが散見されます。

 

リスク② 銀行口座が開設できない

 法人口座の開設審査においても、資本金額は重要な審査要素の一つです。シンガポールの銀行(DBS・OCBC・UOBなど)は、マネーロンダリング対策の観点から、実体のない法人や財務基盤の薄い法人に対して口座開設を断るケースがあります。

特に設立直後の新会社に対しては厳しい審査が行われており、一度口座開設を拒否されると、同じ銀行への再申請が一定期間困難になります。

 

リスク③ 取引先・投資家からの信頼を失う

 シンガポールのビジネス環境では、資本金額は会社の信用力の一つの指標として見られます。資本金が極端に低い場合、現地取引先や将来の投資家から「本気度が低い」と判断されることがあります。

 

2-3. 業種・規模別の「実務上の推奨資本金」

 

ケース 推奨資本金の目安 主な理由
コンサルタント・IT系(1名体制) SGD 50,000〜100,000 EP取得・銀行審査対策
駐在員1〜3名の中小企業 SGD 100,000〜300,000 EP複数名取得・事業実体の証明
製造業・流通業 SGD 300,000以上 設備・在庫への初期投資を含む
金融・不動産関連業 規制当局の要件に依存 ライセンス取得要件あり

 

上記はあくまで目安であり、実際には事業内容・EPの申請人数・銀行の審査基準によって異なります。設立前に専門家(弁護士・会計士・コンサルタント)に相談の上、適切な資本金額を設定することを強くお勧めします。

 

【よくある質問】資本金と払込のタイミング

シンガポールでは、日本と異なり「設立登記前に払込証明書を提出する義務はありません」。

ただし、設立後の最初の会計年度末までには払込を完了させることが実務上の慣行です。

また、銀行口座開設後に資本金相当額を入金することで、口座審査での信用力向上にもつながります。

 

第3章 シンガポール法人設立の費用・スケジュール完全版

 

3-1. 現地法人設立の費用内訳

設立に関わる費用は、大きく「初期設立費用」と「年間維持費用」に分かれます。

 

初期設立費用(概算)

費用項目 概算金額(SGD) 備考
会社名予約・ACRA登記費用 300〜600 政府手数料
会社秘書役法人サービス(初年度) 1,500〜3,000 法人により異なる
定款(Constitution)作成 500〜1,500 標準定款使用で低コスト化可
ノミニー取締役サービス(初年度) 2,000〜5,000 必要な場合のみ
弁護士・コンサルタント費用 2,000〜10,000 依頼範囲により変動
合計目安 6,000〜20,000 日本円換算:約65万〜220万円

 

年間維持費用(概算)

費用項目 年間概算(SGD) 備考
会社秘書役サービス(継続) 1,500〜3,000 年次申告・議事録管理含む
会計監査費用 3,000〜10,000以上 売上規模・複雑性により変動
税務申告費用 1,500〜4,000 会計事務所に依頼
ノミニー取締役(継続) 2,000〜5,000 必要な場合のみ
ACRA年次申告費用 60〜600 政府手数料
合計目安(小規模法人) 8,000〜20,000以上 日本円換算:約88万〜220万円以上

 

※上記はあくまでも目安です。実際の費用は、会社の規模・業種・依頼する専門家によって大幅に異なります。

 

3-2. 設立スケジュール(現地法人の場合)

 

フェーズ 内容 目安期間
事前準備 設立形態・資本金・会社名・取締役の決定 1〜2週間
STEP 1:会社名予約 ACRAへ商号の予約申請(有効期間120日) 1〜3営業日
STEP 2:書類準備 定款作成・取締役パスポート認証・決議書作成等 1〜2週間
STEP 3:ACRA登記申請 会社秘書役経由でオンライン申請 1〜3営業日
STEP 4:設立後手続き 会計監査人選任・銀行口座開設申請・EPビザ申請等 2〜8週間
合計(目安) 書類が順調に揃えば3〜4週間での完了も可能 最短3週間〜

 

3-3. 設立に必要な書類一覧

 

本社関連

本社登記簿謄本(原本1部および英語翻訳版、発行後3ヶ月以内のもの)

本社の代表取締役による委任状(公証認証が必要な場合あり)

 

取締役・株主関連

全取締役のパスポートコピー(公証認証済み)

シンガポール居住取締役のNRICコピー(ノミニー取締役を利用する場合はその情報)

株主が法人の場合:法人の組織図・株主名簿・取締役名簿

 

その他

シンガポール法人の登記住所証明(賃貸契約書や住所使用許可書等)

会社秘書役法人の情報(名前・住所・連絡先)

会計監査人の情報(Small Companyに該当する場合は監査免除あり)

決議書類・取締役就任同意書等(秘書役がドラフトを作成)

 

第4章 駐在員事務所の詳細と「落とし穴」

 

4-1. 駐在員事務所の設立要件

 シンガポールの駐在員事務所は、Enterprise Singaporeへの申請により設立します(金融業等は別途MASへの申請が必要)。設立には以下の要件をすべて満たす必要があります。

 

本社の年間売上高がUSD 250,000を超えていること

駐在員数が5名未満であること

本社の設立から最低3年以上経過していること

 

申請費用はSGD 200で、申請が却下された場合も返金はされません。Corppassというシンガポール政府のポータルアカウントを事前に作成し、シンガポール居住者をAdmin担当者に設定する必要があるため、代行業者の利用が一般的です。

 

4-2. 駐在員事務所の「3大落とし穴」

 

落とし穴① 3年後の強制切替問題

 駐在員事務所は原則として設立から最大3年間しか存続できません。更新が認められないケースもあります。3年後に事業継続を希望する場合、現地法人または支店への切り替えが必要となりますが、これは単純な「形態変更」ではなく、実質的に新規設立に近い手続きが発生します。

具体的には、商号・定款・株主・取締役の設定から始まり、新たな銀行口座の開設、就労ビザの取り直し、取引先との契約の名義変更などが必要になり、事業継続に数ヶ月単位の準備期間と相当のコストがかかります。

 

落とし穴② 収益活動・契約不可によるビジネス機会の損失

 駐在員事務所では、市場調査・情報収集・親会社の連絡窓口業務など、非収益活動のみが許可されています。現地の顧客との直接契約・受発注・請求書の発行・代金の受領といった営業活動は一切禁止されています。

一見「調査目的だから問題ない」と思っていても、実態として取引が発生した場合、規制違反となるリスクがあります。また、競合他社が積極的に営業展開している中で、3年間を「調査だけ」に費やすことはビジネス機会の損失にもつながりかねません。

 

落とし穴③ 銀行口座・就労ビザの制限

 駐在員事務所は法人格を持たないため、現地法人名義での銀行口座開設は困難です。また、駐在員のビザ取得についても現地法人と比べて選択肢が限られ、条件が厳しくなる場合があります。駐在員として派遣したい人材のビザが取得できずに計画が頓挫するケースも報告されています。

 

【駐在員事務所が適しているケース(限定的)】

・ 本当に「情報収集のみ」で完結する計画がある

・ 3年以内に確実に撤退する可能性がある

・ 低コストで拠点の「旗」だけを立てたい

 

上記以外の目的がある場合、最初から現地法人設立を強くお勧めします。

 

第5章 銀行口座開設・EPビザ取得の最新事情と注意点

 

5-1. 銀行口座開設の現状(2026年時点)

シンガポールの銀行口座開設は、以前と比べて審査が大幅に厳格化されています。特に2020年以降、国際的なマネーロンダリング対策(AML)の強化を受け、DBS・OCBC・UOBなど主要行では実体審査が徹底されています。

 

口座開設が断られやすいケース

事業計画が不明確・説得力が乏しい

資本金が著しく低い(数千SGD以下)

実際の事業実体(オフィス・従業員・取引先)が確認できない

取締役や株主の経歴・背景が不透明

本社グループの資金構造が複雑・不明確

 

口座開設を成功させるためのポイント

事業計画書を丁寧に準備し、ビジネスの実態を説明できるようにする

シンガポール国内での取引先・顧客をあらかじめ確保しておく

設立前から会計士・コンサルタントに相談し、審査対策を徹底する

銀行が求める資料(KYC書類・グループ組織図・財務資料)を一式準備する

 

5-2. Employment Pass(EP)取得の最新動向

 EPはシンガポールで就労する外国人が取得する基本的な就労ビザです。2022年以降の審査強化(FAIRness Framework等)により、取得難易度が上がっています。

 

EP取得要件の目安(2026年時点)

項目 内容
最低月給 SGD 5,000以上(金融業はSGD 5,500以上)
学歴・職歴 大学卒業以上または同等の職業経験
年齢 実務上は年齢が上がるほど要求月給も上昇
会社の実体 オフィス・事業計画・現地採用状況等も審査対象

 

資本金額が極端に低い場合、会社の「実体性不足」を理由にEPが却下されることがあります。適切な資本金の設定と、現地での実際の事業活動の証明が、EP取得の鍵となります。

 

第6章 現地法人設立の主要手続き詳解

 

6-1. 会社秘書役(Company Secretary)の選任

 シンガポールでは、すべての法人に対して「会社秘書役(Company Secretary)」の選任が法的に義務づけられています。これはイギリス法の影響を受けたシンガポール・マレーシア等に見られる独自の制度です。

 

会社秘書役の主な業務は以下の通りです。

ACRAへの年次申告・登記情報の管理

取締役会・株主総会の議事録・決議書の作成

定款(Constitution)の管理・改定支援

コンプライアンス関連の社内管理支援

 

秘書役にはシンガポールで資格を有する者のみ就任できるため、日本人が直接担うことは通常できません。弁護士事務所・会計事務所が提供する「秘書役法人サービス」を利用するのが一般的です。設立後6ヶ月以内に選任する必要がありますが、実務上は設立と同時に選任されるケースがほとんどです。

 

6-2. 会計監査人の選任と「Small Company」免除

 設立後原則6ヶ月以内に会計監査人の選任が必要です。ただし、以下の要件をすべて満たす「Small Company」に該当する場合は、監査が免除されます。

 

年間売上高がSGD 1,000万以下

総資産がSGD 1,000万以下

従業員数が50名以下

 

新設の法人の多くはSmall Companyに該当するため、最初の数年間は監査が免除されるケースも多いです。ただし、将来的に規模が拡大した際の対応を見据え、早い段階から監査法人との関係を構築しておくことが賢明です。

 

6-3. ノミニー取締役サービスの活用と注意点

 シンガポールでは、設立時から最低1名のシンガポール居住者(Resident Director)を取締役として設定する必要があります。設立初期段階で社内からシンガポール居住の取締役を選任できない場合、法律事務所・会計事務所が提供する「ノミニー(名義)取締役サービス」を利用することが一般的です。

 

ただし、ノミニー取締役は登記上の取締役として会社法上の責任を負います。以下の点に注意が必要です。

ノミニー取締役に過剰な経営権を付与しない契約設計が重要

定期的な書類署名等の対応が必要になる場合がある

サービス提供会社の信頼性・実績を事前に十分確認すること

EPビザ取得者が実取締役に就任できた段階で速やかにノミニーを解任する

 

第7章 支店設立のポイントと現地法人との違い

 

7-1. 支店設立の特徴的な手続き

 

Authorised Representative(AR)の選任

 支店の場合、現地在住のノミニー取締役の代わりに、「Authorised Representative(AR)」を最低1名選任する義務があります。ARは取締役である必要はありませんが、支店のコンプライアンスに関する最終責任者として、法令違反があった場合に個人責任を問われる可能性もあります。

 

支店名称の設定制限

 支店の名称は自由に設定することができません。本社の英語表記の後に「Singapore Branch」等を付記する形が基本となります。本社名と著しく異なる支店名は、ACRAから修正を求められる場合があります。

 

本社関連書類の追加提出

 現地法人設立に比べ、支店設立では追加書類が多く必要です。本社の登記簿謄本に加え、定款(英訳)・本社の全取締役のパスポートコピー(公証認証済み)・AR選任同意書(公証認証が必要)・本社取締役会による支店設置承認決議書等が必要となります。

 

第8章 よくある失敗事例と対策

 実際のシンガポール法人設立において、以下のような失敗が繰り返し報告されています。事前に把握しておくことで、同じ轍を踏まないようにしましょう。

 

失敗事例① 銀行口座開設に3ヶ月以上かかり事業が停止状態に

 「法人登記はすぐに完了したのに、銀行口座が開けない」という事例は非常に多いです。資金繰りの関係上、早急に口座が必要であったにもかかわらず、書類不備・事業計画の説明不足・資本金の少なさを理由に口座開設を断られ、複数の銀行で失敗を繰り返した結果、事業立ち上げが大幅に遅延するケースがあります。

【対策】:設立前から銀行担当者に相談し、必要書類と事業計画書を完備した上で申請すること。専門家のサポートを得て、銀行の審査基準に合わせた資料準備を徹底することが重要です。

 

失敗事例② EP申請を繰り返すも却下が続き駐在員を送れない

 資本金を低く設定してしまったこと・事業計画が不明確だったこと・会社の実体が認められなかったことが重なり、EPが3回以上却下されたケースがあります。一度却下されるたびに再申請に時間とコストがかかり、本来赴任予定だった社員が日本待機状態となり、事業計画全体が遅延しました。

【対策】:EP申請前に、資本金の適正化・現地オフィスの確保・明確な事業計画書の準備を行うこと。申請経験が豊富な専門家に依頼することが最大のリスク軽減策です。

 

失敗事例③ 駐在員事務所の3年後切替で予想外のコストが発生

 「とりあえず安く始められるから」という理由で駐在員事務所を選択したものの、3年後の切替時に事実上の新規設立手続きが必要となり、新法人設立費用・銀行口座再開設・ビザの取り直し・取引先との契約名義変更等で数百万円規模のコストが発生したケースがあります。

【対策】:3年以内に本格展開の可能性があるなら、最初から現地法人で設立する方が長期的なコストが低くなります。専門家とともに3〜5年の事業計画を踏まえた進出形態の選択が必要です。

 

第9章 まとめ:シンガポール法人設立の成功ポイント

 

本記事では、シンガポール法人設立に関する以下の内容を解説しました。

 

  1.   設立形態の選択:長期展開なら現地法人、本社一体運営なら支店、純粋な調査のみなら駐在員事務所(ただし注意点多数)
  2.   資本金:法律上は1SGDから可能だが、EP取得・銀行口座開設・信頼獲得のためには実務上SGD 50,000〜300,000程度が目安
  3.   費用:初期設立費用はSGD 6,000〜20,000程度、年間維持費はSGD 8,000〜20,000程度(規模・業種により変動)
  4.   設立期間:書類が揃えば最短3〜4週間での登記完了も可能
  5.   主要リスク:銀行口座開設の困難・EP却下・駐在員事務所の3年後問題

 

 

【最後に:専門家への相談を強くお勧めする理由】

 シンガポール法人設立は、手続き自体はシンプルに見えますが、資本金額・設立形態・銀行選定・ビザ戦略の組み合わせが、その後の事業成否に大きく影響します。

 

2026年現在、銀行口座開設審査・EP審査ともに厳格化が続いており、「情報だけ調べて自社で進めた結果、失敗した」という事例が増えています。

 

設立前の段階から、シンガポールの法律・会計・銀行実務に精通した専門家に相談することが、結果として時間とコストの節約につながります。

 

ご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。

 

─────────────────────────────────────

※本記事の情報は2026年3月時点のものです。法令・規制は変更される場合がありますので、最新情報は専門家にご確認ください。

 

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