フィリピン法改正情報(Revenue Memorandum Circular No.52-2013)

税務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

先日、うっかり携帯電話をタクシーに落としてしまいました。気付いたのはタクシーを降りて目的のビルに入り、10分ほど経過した後でした。通常、フィリピンで携帯電話を落とせばシムカードが抜かれ、携帯本体だけどこかで売られてしまうものだと理解していたので、私はがっくりと肩を落とし、まず携帯電話は出てこないものと諦めました。

それでも電話しないわけにはいかないので、恐る恐る自分の携帯に電話をしてみたところ、誰かが応答しました。まずはラッキーだと思いつつも、電源を切られてしまえば元も子もないので慎重に交渉しようと話してみたところ、電話に出たのはそのビルの入り口のガードマンでした。なんと、携帯電話の落とし物に気付いたドライバーが、親切にも警備員にそれを渡してくれたということでした。

私は飛び跳ねんばかりに喜びつつ、すぐにビルの入り口に向かい、警備員から携帯電話を受取りつつ、まだビルの入り口付近に停車していたタクシードライバーに精一杯のお礼を伝え、気持ちばかりのチップ(100PHP)を渡しました。先日はマカティの外れの夜道で携帯電話の強盗を見たかと思えば、落し物の携帯電話をくすねずに届けてくれる人もおります。とかく、過激な話ばかりニュースに取りざたされるフィリピンですが、フィリピン・マニラで実際にあったちょっといい話でございました。
さて、前置きが少し長くなってしまいましたが、今週は、2013年5月2日(【フィリピン法改正情報(Revenue Regulations No.18-2012)】)のブログでお話をさせて頂いたOfficial Receipt等の更新に関するBIR規則「Revenue Regulations No.18-2012」の更新期限延長に関するBIR覚書回覧「Revenue Memorandum Circular No.52-2013」(2013年8月13日発行)について、お話させて頂きます。

先日お話させて頂いたRevenue Regulations No.18-2012の内容は、BIRにおける電子申請化システム導入を進めるため、今まで発行したOfficial ReceiptやSales Invoiceを再度登録し直しなさい、というものでした。この更新期限は6月に一度更新期限の延長があり、更新期限は2013年8月30日までとなっておりました。しかし、先日発行されたRevenue Memorandum Circular No.52-2013で、その更新期限が更に2013年10月31日までに延長されました。 

しかし、今回の延長には制限があり、2011年1月1日より前に取得したOfficial Receipt、Invoiceについては期限の延長を認めないということです。
参照URL:ftp://ftp.bir.gov.ph/webadmin1/pdf/73840RMC%20No%2052-2013.pdf

また、2011年1月1日から2013年1月17日までに登録したOfficial Receipt、Invoiceについては、更新をせずに10月31日まで使用するためには、BIRより承認のスタンプをもらう必要があります。 

もともとのBIR規則「Revenue Regulations No.18-2012」では、Official ReceiptとInvoiceの更新期限は2013年6月30日であったところ、それがBIR覚書回覧「Revenue Memorandum Circular No.44-2013」(2013年6月11日発行)によって8月30日まで延長されました。そして、今回のBIR覚書回覧「Revenue Memorandum Circular No.52-2013」(2013年8月13日発行)でさらに10月31日まで更新期限が延長されました。

理由はBIRと指定の印刷所が、業務過多で更新業務に対応しきれていないためだと予想されます。

今までの流れから、10月31日の更新期限も延長されるような気がしないではありませんが、そうだと言って、迅速に更新作業を進めないわけにはいきません。アンダーテーブルマネーを支払って、手続きを早めてもらうような必要はないと思いますが、まだOfficial ReceiptやInvoiceを更新できていない企業様は、遅滞なく更新手続きを進めることをお勧め致します。定期的にBIRや印刷所の担当官に連絡し、進捗を確認することで備忘防止などされるのもいいかもしれません。

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上

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