フィリピンQ&A 抵当権の設定と実行について

法務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

 

今週のブログはフィリピンのQ&Aについて書かせて頂きます。

 

Q フィリピンにおける抵当権の設定と実行手続きを教えて下さい。

 

→抵当権設定の手続きは以下のようになります。

・Loan Agreementの作成

・Board of resolutionの作成(※法人の場合。代理人を選任するため)

・Registry of Deedsへの登録手続き

※上記手続きには1~2カ月かかるということです。

 

また、債務不履行が起きた際の抵当権の実行手続きは以下のようになります。

 

【裁判所による抵当権の執行】

・抵当権者(貸主)は裁判所に裁判所による抵当権の執行の申請

・裁判所による審理

・裁判所による判決

・抵当権設定者(借主)の権利保全のために、120日間の不動産買戻しの期間を設ける。

・抵当権設定者が支払えない場合は、裁判所が不動産の公売を行う

 

【裁判外による抵当権の実行】

・抵当権者(貸主)は不動産のある市の3つ以上の公告所に

20日以上の期間不動産の売却に関する広告を行う。

・抵当権者は不動産のある市の新聞等に、

週1回3週以上の期間にわたって不動産の売却に関する広告を行う。

・入札の形式で不動産の公売/オークションを行う。

・最高額で入札した者が不動産を所有する。

 

Q 抵当権の実行の際、接収して終わりにすることは法律上許されますか?

 

→弁護士に確認したところできないということです。

理由はフィリピンの民法2088条で明確に禁止されているからです。

 

【参照条文 民法2088条】

Art. 2088. The creditor cannot appropriate the things given by way of pledge or mortgage, or dispose of them. Any stipulation to the contrary is null and void.

 

【参照最高裁判決】

http://sc.judiciary.gov.ph/jurisprudence/2012/june2012/158891.htm   

 

今週も、どうぞよろしくお願い致します。

以上

 

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