いつもお世話になっております。
東京コンサルティングファーム・マニラ支店の早川でございます。
今回は、駐在員の方の人事異動にあたり頂いたご質問をご紹介いたします。
御質問:
現在、現地子会社A社に1名、駐在員を出向させています。就労(9g)ビザを取得しています。
人事異動を検討しており、この駐在員を、同じくフィリピンに所在する別の子会社B社の、役員として任命を検討しています。
この場合、ビザはどのように扱えばよいのでしょうか。
回答:
その方が、B社において実際に就労されるのか、
それとも非常勤役員となり実際の就労場所はA社で変わらないのか、それによって回答が異なってきます。
①役員となるだけでなく実際に就労される現場もB社になる(現地給与もB社から出る)場合
現在A社で取得しているビザを抹消(ダウングレード)し、それに伴い出国を行い、再度入国し、新規のビザをB社で取得しなおすことを推奨いたします。
取得せずにA社で取得したビザを使い、B社で就労される場合、リスクがございます。
ビザ申請時、所属会社より身元の証明のため書類を提出し、移民局としても、所属会社はどこかを把握しています。
フィリピンではビザに関して移民から視察が入ること自体珍しいですが、万が一入った場合(或いは労働局からの査察が入った場合)に、「実際に働いていらっしゃる現場(B社)に所属している」というビザがないことになってしまいます。それに対して指摘が入る可能性がございます。
その場合、ビザの取り直し・及びそれに伴う出国を要求されると見込まれます。(その際の金銭としてのペナルティ支払い額の想定は難しいです。)
②役員として名前は載るが、実際に就労される現場はA社であることに変わりはない(現地給与も引き続きA社から出る)場合
現在のA社所属として取得したビザのままで問題ないでしょう。B社でのビザの取得は必要ございません。
非常勤役員ということで、非居住の方(ビザを取得されない方)と同様に、ビザを取得する必要はないでしょう。
ご参考になれば幸いです。
東京コンサルティングファーム・マニラ拠点
早川 桃代
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