いつもお世話になっております。東京コンサルティングファーム・マニラ支店の早川でございます。会計期間が1~12月だった企業様は、今まさに会計監査の真っ最中かと存じます。私にとって、フィリピンでの監査及び確定申告は初めての経験なのですが、他国と比べて、特にこの期限が複雑だと感じました。みなさまきっと同じ印象を受けていると思いますので、ここで一度まとめます。
そもそも、決算月が終わったら、会計監査や確定申告はどのように進んでいくのかをご説明いたします。
①法人税申告:決算から105日以内(12月末決算の場合、4月15日まで)
②納税(あれば):決算から105日以内(12月末決算の場合、4月15日まで)
③BIR(内国歳入庁)への書類の提出:EFPS登録の有無及び④の登録期限による
④SEC(証券取引委員会)への登録:SEC登録番号による
年次コンプライアンスというと他にもやらなければいけないことはあるのですが、今回はこの4つのタイミングについてご説明いたします。①②に関しては、決算から105日以内と決まっています。
監査報告書の完成自体は、実はいつまでという期限はありません。しかし、監査済み財務諸表を基に法人税を確定していくため、①には監査報告書がほとんどできており、法人税計算が完了している状況にしなければなりません。
③④に関しては、会社のステータスにより変動します。そのステータスとは、「EFPS登録をしているか否か」です。Electronic Filing and Payment Systemの略で、簡単に言うとオンラインでの税務申告システムを指します。こちらに登録している場合、③の期限は、納付の必要があろうとなかろうと、①の申告から15日(カレンダー日)以内です。
EFPS登録をされていない場合で、さらに納付の必要がある場合には、①②と同じく決算から105日以内に③も行わなければいけません。納付の必要がない場合には、①の申告から15日(カレンダー日)以内に③を行います。
この③の期限に気を付けなければいけない理由は、提出する書類のうち、社長(President)、または秘書役(Secretary)、または財務役(Treasurer)の署名が必要な書類があるからです。
「よかった、①の申告から15日余裕がある」とご安心するのは、まだお待ちください。③にて書類を提出しBIRが受領する際、BIRから受領の印を押されます。こちらを、④の登録に持っていく必要がございます。つまり、③の署名は、④の期日までに余裕を持って行わなくてはならない、ということです。
④の期日は、会社のSEC登録番号の最後の数字によってことなります。以下の通りです。
SEC登録期限
※12月末決算の場合 |
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最後の数字が1,2 | 4月22日~26日 |
最後の数字が3,4 | 4月29日~5月3日 |
最後の数字が5,6 | 5月6日~10日 |
最後の数字が7,8 | 5月13日~17日 |
最後の数字が9,0 | 5月20日~24日 |
例えば、①の申告を4月15日ギリギリに行ったA社の場合、15日余裕があると思って書類への署名をしていなかったところ、実はSEC番号の末尾が2だったため、4月26日までにはSEC登録をしなければいけなかったとしましょう。③のBIRへの提出期限は4月30日までなので間に合ったと思ったら、4月26日までのSEC登録は期限を過ぎていました。そのような事が無いように、SEC登録の期限まで把握しておくことが大事です。
ご参考になれば幸いです。
東京コンサルティングファーム・マニラ拠点
早川 桃代
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