いつもお世話になっております。
東京コンサルティングファームの早川でございます。
コロナ禍ではありますが、フィリピンは進出のご相談が多い国の一つです。
法人設立の際に考えなければいけない事として、資本金額がございます。まずは小規模で設立したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、事業規模によっては、低ければよいというものでもありません。今回は資本金額を決定する際の2つの注意点をご紹介して参ります。
<注意点>
- 外資規制の有無の確認
- 資本金額によって変わってくる、フィリピン独自の税金「不当留保金課税」
<①外資規制の有無>
まずどの企業様も確認しなければいけないのは、外資規制の有無です。
フィリピンでは現地出資の企業に対しては会社法上での最低資本金の定めはない一方で、外国資本が入った企業に対しては、以下の2つのタイプの資本金規制がございます。
(A)外資比率が40%を超える場合、最低資本金200,000USD(1991年外国投資法第8条)
※以下の例外あり
- 科学技術省に承認を得た最先端技術を有する企業の場合、100,000USD
- 直接雇用が50名以上の企業の場合、100,000USD
- 売上の60%以上が国外の、製造・加工業、(観光業を含む)サービス業や、国内で仕入れ、その60%以上を国外へ販売する卸売業は、当該規制の対象外
(B)業種による外資規制
まず、Aはどの企業様にも共通の規制です。Bは業種によって、規制のあるなしが変ります。
貴社ご希望の業種がBの規制に当てはまるかどうかは、お問い合わせの上ご確認ください。
<②資本金額によって変わってくる、フィリピン独自の税金「不当留保金課税」>
これは、設立当初に支払う税率というよりは、将来的な税額に関わってくるものです。
不当留保金課税は、利益剰余金累計額が払込資本金額を超えており、かつ事業上の合理的な理由がなくこれを保有しているとき、この超過分に対して10%の税金が課せられる、というフィリピン特有の税制です。
この税制の目的としては、利益剰余金を株主へ配当として分配するときにかかる税金などを逃れるために会社に不当に残す、という行為を防ぐためのものでございます。
(詳細はこちらの弊社ブログ記事にまとめております)
つまり、「資本金を低く設定しておき、その後事業で資本金額を超える大きな利益を得て、それを株主に配当せず留保しておくと、それに対して税金がかかる」ということでございます。
事業による損益(PL)の計画だけでなく、将来的な資本・貸借のバランス(BS)についても計画立てていくことが、設立前から求められています。
税金面での節約を検討する上でのプランニングだけでなく、経営者は、BSから見えてくる会社の安定性を管理することも求められます。
貴社の理想的なBSはどのような形なのでしょうか?ぜひ一度ご相談ください。
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東京コンサルティングファーム・マニラ拠点
早川 桃代
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