進出の形態
外国企業がフィリピンで事業拠点を設けるには、フィリピン会社法 (Corporation Code of the Philippines)及び1991年外国投資法に準拠した投資形態を選択しなければなりません。 現地法人・支店・ 駐在員事務所のいずれかの事業形態を選択しますが、形態によって、活動や責任の範囲、税務上の取扱い等が異なるため、各々の特徴をしっかりと把握した上で進出形態を決定する必要があります。
【主な進出形態の特徴】
形態
位置づけ
最低資本金※1
特徴
現地法人
外国資本
40% 以下
内国法人
規定なし
・ 土地所有可
外国資本
40% 超
・ 現地人直接雇用 50名以上 10 万 US ドル
・ 上記以外※2 20万US
ドル
・ 土地所有不可
支店
外国法人
・ 現地人直接雇用 50名以上 10 万 US ドル
・ 上記以外※2 20万US
ドル
・ 本店と同様の活動可
・ ネガティブリストの事業は不可
駐在員事務所
外国法人
最低送金額は 3 万US ドル
・ 主に情報収集、調査など本店の出先機関
・ 売上をあげる営業活
動のみ不可
※1 最低資本金規制とは別に、会社の口座開設に最低2万5,000ペソから5万ペソの入金を求められることがあります
※2 輸出向け企業(売上の70%以上が輸出)は、当該最低資本金規制の適用はありません。
フィリピンの特徴として、外資の出資比率が40%を超えるかどうかにより違いが生じます。外資の出資比率が40%を超える場合には、通常の内国法人(Domestic Corporation)と区別され、最低資本金や土地所有の可否について取扱いが異なります。
直近の改正点として、39年振りにドゥテルテ大統領が改正会社法に署名し、2019年2月23日より最低払込資本金が、改正前の5,000phpから改正後は最低払込資本金がなくなりました。
しかし、会社法上の最低払込資本金の規制は撤廃されたとはいえ、引き続き、他の法令による外資40%超の場合は20万USDや建設業許可・人材紹介等のライセンス取得における最低払込資本金の規制は存在することになります。