フィリピンにおける労務管理について

労務

こんにちは、フィリピン駐在員の田辺です。

 

フィリピンで長くアドバイザリーをやっていらっしゃった方に聞いた話ですが、フィリピンにおける相談事の大半は税務と労務に関する事だということです。その内、労務について、以前お話を伺ったフィリピンで長く人事労務に関するコンサルティングをしてらっしゃる方が非常に興味深い話をされていました。それは、「情の通った労務管理」がフィリピンにおいては非常に効果的だということでした。

 

その内容を要約すると、①従業員とのこまめな会話、②従業員が困っているときには、できる限り力になってあげること、この2点でした。

 

弊社も少ないながら従業員を雇っており、時おり従業員から「親が目の病気にかかり、手術して10,000PHP出した。」「BIRに税金の申告書を提出しに行った帰り、ジプニーで窃盗団にあって7,000PHP入っていた財布を盗られた。」「親が危篤で集中治療室に入っている。」など、様々な話を聞きます。窃盗団の話を聞いた際には「ホント?」と若干疑ってかかってしまったのですが、話を聞くとどうも本当らしい感じがしました。

 

我関せず、と無視をしてしまうこともできたのですが、前述のコンサルタントの方の言うことを思い出し、小遣いの中から幾らか包んで、「大変だったね。少ないけど何かの足しにしてよ。」とそっと渡してあげました。すると、その従業員の心に何かが響いたのか、その日の帰り際から毎日「Sir, オツカレサマデス!」と毎日笑顔でにっこり挨拶をしてくれるようになりました。これは若干モチベーションが下がっているように見えたその従業員の方の、劇的な変化でした。その後、その従業員の方は給料が1.5倍の新しい職場に移るまで毎日必死に働いてくれ、退職時には私も含めて皆に文房具のプレゼントをくれました。さらに私の誕生日にはスカイプで一言「Happy Birthday, Sir!」とメッセージをくれました。

 

また、他の例でも幾らか小遣いから包んで渡してあげているのですが、皆目を潤ませながら深くお礼を言ってくれます。

 

費用対効果というとせちからい話ですが、困ったときはお互い様の精神で、困っている従業員の方に500PHPでも1,000PHPでも包んであげるだけで、本当に彼らは救われた気持ちになるようです。情にもろいフィリピン人の方に対して、情の通った労務管理が有効だとおっしゃっている前述のコンサルタントの方の言葉は本質を突いていると思ったので、ご紹介させて頂いた次第です。

 

フィリピン人の方のモチベーション管理に悩んでいる方がいらっしゃったら、1つの方法として試されてみてはいかがでしょうか。

 

今週も、どうぞ宜しくお願い致します。

以上

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