東京コンサルティングファームフィリピン・セブ支店駐在員の日比野です。
今回も引き続きフィリピンの会計あるあるをお伝えします。
今回は下記の2つを挙げさせていただきます。
・会計事務所の給与計算・記帳が間違っている。
・経理が把握していない出金を立替金と記帳する。
フィリピンに進出した日系企業は、経理業務をローカル会計事務所に依頼するケースが多くあります。会計事務所によっては、日本人が求める安定したクオリティとスピードで対応をします。一方で、ローカル会計事務所・経理に任せていたら、ミスばかりだった。という話が後を絶えません。
発覚するポイントとしては、従業員が給与計算の詳細を聞いてくる場合が多いようです。やはり、受け取る給与については従業員は非常にセンシティブです。もし身に覚えのない減額があった場合に、まず日本人マネージャーに理由を尋ねます。その後日本人からローカル会計事務所に確認をすると、明確な答えがなく、従業員が納得する回答が出来ない。という事例が多く聞かれます。
日本人が不信感を持って給与計算だけではなく、仕訳を見てみると記帳も間違っているというケースがあります。これは一重に会計事務所が悪いと言い切れない場合もあります。
例えば記帳をするための情報が不足していて、担当者が日本人の認識、実際の取引と異なった認識を持ち、結果として間違った会計処理をすることが多いように感じられます。
2つめの内容もこれに通じることがあります。経理が認識していない出金は、本来経理が日本人に確認を取って会計処理をすべきですが、明確な答えが得られない場合、またはコミュニケーションが不足している場合、仮に立替金として計上してしまうケースが多いようです。
この立替金は使途不明金として累積してしまい、後で気付いたら大きな金額になり、内容も分からないという可能性があります。
全ての会計情報が経理に伝わり、不明な記帳が無いよう注意をするとともに、普段から日本人とフィリピン人の間に適切なコミュニケーションが取られるような組織作りが重要です。
それでは今週もよろしくお願いいたします。
株式会社東京コンサルティングファーム
フィリピン支社 セブ支店 日比野和樹